【2026年版】韓国TikTokマーケティング完全ガイド|利用データ・TikTok Shopの現在地・攻略戦略まで

はじめに|「TikTok=若者向け」という思い込みが、韓国では二重に間違っている

韓国向けのSNS施策を検討するとき、TikTokは「若者向けのおまけチャネル」として後回しにされがちです。しかし2026年の韓国では、この認識は二重に古くなっています。

第一に、規模。TikTok本体と軽量版のTikTok Liteを合わせた利用者は1,600万人規模に達し、どちらも歴代最大を更新し続けています。第二に、利用者層。韓国のTikTokはもはや10代のアプリではなく、30代・40代、さらにシニア層にまで浸透しているというデータが出ています。

一方で、日本語で読める「韓国市場向けのTikTok活用法」は、SNS総論の一節にとどまっているのが実情です。本記事は、ソウル・釜山に現地法人を構える韓国特化マーケティングチーム「InFluK(インフラック)」が、WiseApp・Retailなどの最新調査、TikTok Korea公式発表、現地報道をもとに、韓国TikTokの利用実態と攻略戦略を解説するものです。

韓国市場攻略の全体像(NAVER・Kakao・広告・インフルエンサーの使い分け)は

【2026年版】韓国マーケティング完全ガイド」で解説しています。

 

データで見る韓国のTikTok|本体943万人+Lite707万人、ともに歴代最大

まず最新の数字です。

注目すべきは使用時間です。利用者数ではInstagramに及ばないものの、1人当たりの滞在時間ではTikTok LiteがすべてのSNSアプリの中で1位。ヘビーユーザーの没入度が極めて高いプラットフォームだと分かります。

TikTok Liteの急成長は韓国特有の現象です。Liteは動画を視聴するとポイント(現金化可能)が貯まる「視聴報酬型」の軽量アプリで、2024年1月の55万人から2年で707万人へと爆発的に増えました。「動画を見てお小遣いを稼ぐ」という動機で、これまでTikTokに縁のなかった層を取り込んでいます。

 

意外な利用者構造|韓国のTikTokは「全世代アプリ」になりつつある

「TikTokの中心は10代」という通説は、韓国では過去のものになりつつあります。

韓国言論振興財団の「ソーシャルメディア利用者調査」では、TikTok利用者が最も多い年齢帯は19〜29歳(33.5%)で、僅差で30代(28.2%)が続きます。さらに60代以上が主に使うショート動画プラットフォームの2位にTikTokが入るなど、高年齢層への浸透も進んでいます。前述のTikTok Liteは中高年のヘビーユーザーが多いことで知られ、WiseAppの世代別調査では60歳以上が最も長時間使うアプリにTikTok Liteが挙がりました。現地報道では、TikTokとLiteを合算した使用時間の7割が40代以上だとする分析まで紹介されています。

マーケティング上の含意は大きく2つです。ひとつは、若年層向けブランドだけでなく、ミドル・シニア向け商材(健康、食品、生活用品、旅行など)でもTikTokがリーチ手段になり得ること。もうひとつは、コンテンツのトーンを「10代ノリ」に固定する必要はなく、ターゲット世代に合わせた企画が成立することです。

韓国で話題が生まれ、TikTok発のトレンドが他チャネルへ波及していく構造は

韓国トレンドの作られ方」で解説しています。

 

TikTok Shopの現在地|韓国国内は「未ローンチ」——だから戦略が変わる

グローバルでは、動画から直接購入できる「TikTok Shop」が急成長しています。入店ブランド数は2023年の70万から2024年に110万へと約60%増え、米国・東南アジアでは動画視聴から購買までがTikTok内で完結する消費行動が定着しました。

ところが、韓国国内向けのTikTok Shopはまだローンチされていません。TikTok Koreaは2025年末の公式イベントで「進出計画はあるが時期は明言できない」と説明し、2026年7月時点の現地報道でも、規制環境や「クーパン水準の配送・返品」に慣れた韓国消費者への対応を見極めており、年内の開始は難しい見通しと伝えられています(今後変わる可能性があるため、最新発表の確認をおすすめします)。

 

これは日本企業にとって重要な戦略前提です。つまり現時点の韓国TikTokは「買わせる場」ではなく「発見させる場」であり、TikTokで生んだ興味を、NAVER検索・ECモール・自社ECなど外部の購買導線で受け止める設計が必須になります。TikTok自身の調査でも、視聴者の87%がクリエイターのコンテンツを通じて新しいブランド・製品を発見し、79%が購買の最終決定に影響を受けたと回答しており、「発見装置」としての性能は数字が裏付けています。

なお、韓国のライブコマース市場自体は2024年に約3.5兆ウォン(前年比15%増)へ拡大しており、TikTok Shopが将来上陸すれば競争環境が大きく動く可能性があります。参入前提の情報収集は続ける価値があります。

韓国のライブコマース市場とプラットフォーム別戦略は「韓国ライブコマース最前線」で解説しています。

 

韓国TikTok攻略の4戦略

利用構造とShop不在という前提を踏まえた、実務の設計図です。

 

戦略1:トレンド起点の企画——「作る」より「乗る」

TikTokの露出はフォロワー数よりレコメンドアルゴリズムに依存するため、小規模アカウントでも流行中の音源・チャレンジ・フォーマットに自社文脈で乗ることで大きなリーチを獲得できます。韓国はミームの回転が速く、企画から投稿までのスピードが成果を左右します。トレンドの監視と即応ができる韓国語ネイティブの運用体制が実質的な参入条件です。

 

戦略2:クリエイター協業——発見の87%を握る存在

前述のとおり、TikTokでのブランド発見はクリエイターのコンテンツ経由が主流です。起用の考え方はYouTube・Instagramと共通で、登録者数よりカテゴリ適合度を重視し、広告表記を徹底することが大前提です。韓国は「裏広告(뒷광고)」への社会的感度が非常に高い市場である点に注意してください。

起用コストの相場観と見積もりの考え方は 「韓国インフルエンサー費用の決まり方」を参照してください。

誇張のない「リアル」な発信者が支持される背景は 「リアルインフルエンサーとは」で解説しています。

 

戦略3:TikTok広告——オーガニックで当てた素材を増幅する

TikTok For Businessの運用型広告(インフィード、起動画面のTopView、ハッシュタグチャレンジ型など)は、認知獲得とアプリ・EC送客の両方に使えます。定石は、オーガニック投稿やクリエイター投稿で反応の良かった素材を広告に転用(Spark Ads型の活用)することです。広告らしい作り込みより「TikTokらしい」素材のほうが成果が出やすいとされています。

 

戦略4:購買導線の外部設計——TikTokで発見→NAVERで検証→ECで購入

韓国の消費者は、TikTokで知った商品をそのまま買うのではなく、NAVERで検索しレビューを確認してから購入する行動を取ります。したがって、TikTok施策は単体で完結させず、①ブランド名・商品名の韓国語検索の受け皿(NAVERブログ・レビュー)を整備し、②CoupangやNAVERスマートストアなど購入場所への導線をプロフィールや動画内で明示する、という外部設計とセットで初めて売上につながります。

韓国ECモールへの出店手順と集客設計は 「【2026年版】韓国越境EC完全ガイド」で解説しています。

 

Instagramリール・YouTube Shortsとの使い分け

ショート動画3プラットフォームは、同じ縦型動画でも役割が異なります。

制作面では、1本の縦型素材を3プラットフォームに展開する「ワンソース・マルチユース」が基本ですが、他プラットフォームのロゴ(ウォーターマーク)入り動画の転載は各アルゴリズムで不利に扱われるため、書き出し設定だけは分ける必要があります。

リールの制作トレンドとInstagram側の攻略は 「【2026年版】韓国Instagramマーケティング完全ガイド」で解説しています。

 

韓国TikTokマーケティングでよくある失敗パターン

失敗1:日本のTikTok動画をそのまま流用する

音源のトレンドもミームの文脈も日韓で異なります。字幕を付けただけの転載は、韓国のレコメンドに乗りにくくなります。

 

失敗2:「若者向けでないから関係ない」と判断する

利用者構造のデータが示すとおり、韓国のTikTokはミドル・シニアにも届くチャネルに変化しています。

 

失敗3:TikTok内で購買まで完結させようとする

韓国はShop未上陸のため、外部の検索受け皿とEC導線がなければ「バズったのに売れない」で終わります。

 

失敗4:広告表記の軽視

クリエイター協業での表記不備は、韓国では炎上リスクが特に高い領域です。

 

失敗5:単発投稿で判断する

レコメンド型プラットフォームは投稿ごとの振れ幅が大きく、数本で撤退判断をすると本来の適性を見誤ります。型を変えながら最低でも数週間〜数ヶ月の検証期間を設けるべきです。

 

FAQ|韓国TikTokマーケティングのよくある質問

Q1. TikTok Shopは韓国でいつ始まりますか?

A. 2026年7月時点の報道では時期未定で、年内の開始は難しい見通しと伝えられています。ローンチされれば戦略前提が変わるため、動向のウォッチをおすすめします。

 

Q2. フォロワーゼロから始めて意味がありますか?

A. あります。TikTokの露出はフォロワー数よりコンテンツ単位のレコメンド評価で決まるため、新規アカウントでも企画次第でリーチを獲得できます。

 

Q3. TikTokとTikTok Lite、施策上の違いはありますか?

A. Liteは視聴専用に近いアプリのため、コンテンツは本体と共通でリーチが広がるイメージです。ただしLite利用者は報酬目的の視聴が含まれる点を踏まえ、エンゲージメントの質は指標を分けて評価することをおすすめします。

 

Q4. どんなカテゴリが向いていますか?

A. ビジュアルと変化が伝わる商材(食品・コスメ・雑貨・エンタメ・旅行など)は特に相性が良いとされます。ただしB2Bや高関与商材でも、ハウツーや裏側コンテンツで成果を出す例はあります。

 

Q5. 政治・規制リスクはありますか?

A. 米国など海外でのTikTok規制議論の影響や、韓国国内の規制環境の変化が事業前提に影響する可能性はゼロではありません。TikTok単独に依存せず、Instagram・YouTubeを含むマルチプラットフォームで設計しておくことがリスクヘッジになります。

 

 

まとめ|韓国のTikTokは「発見の装置」として設計する

本記事のポイントを整理します。

  • 韓国のTikTokは本体943万人+Lite707万人でともに歴代最大を更新中。使用時間ではTikTok LiteがSNSアプリ1位という高い没入度を持ちます
  • 利用者は10代中心ではなく、30〜40代、さらにLite経由でシニア層まで拡大した「全世代アプリ」に変化しています
  • TikTok Shopは韓国国内では未ローンチのため、現時点では「TikTokで発見→NAVERで検証→ECで購入」という外部購買導線の設計が成否を分けます
  • 攻略の柱は、トレンド即応の企画、クリエイター協業、当たり素材の広告転用、そしてInstagram・YouTubeとのマルチプラットフォーム展開です

 

韓国のTikTok運用は、トレンドの監視と即応、韓国語でのコンテンツ制作、クリエイターの選定・交渉、そして外部導線の整備までを一体で回す必要があります。ミームの回転が速い市場だけに、現地の「今」を掴める体制の有無が成果を分けます。

InFluKは、韓国ソウル・釜山に現地法人を構え、メンバーの3割が韓国人、半数が韓国語ネイティブレベルで対応できる韓国市場専門のマーケティング支援チームです。韓国向けTikTokアカウントの企画・運用、ショート動画制作、クリエイターキャスティング、TikTok広告運用、NAVER・ECへの購買導線設計までワンストップでご支援できます。

「韓国向けにショート動画を始めたいが何から手を付ければいいか分からない」「TikTokがバズっても売上につながらない」といったお悩みがあれば、ぜひ一度InFluKまでお気軽にご相談ください。貴社の商材・フェーズに合わせて、最適な韓国TikTok戦略をご提案いたします。

 

韓国マーケティング InFluKのサービスページはこちら:https://influk.bwell.jp/

※本記事に掲載した数値・機能・サービス提供状況は、各調査・発表時点の情報です。特にTikTok Shopの韓国展開は状況が変わる可能性があるため、施策の検討にあたっては最新の公式情報をご確認ください。

 


 

参照