韓国トレンドの作られ方|コミュニティ→SNS→メディアの拡散設計とは? 

はじめに

韓国市場で「急に流行ったように見える」現象の多くは、偶然ではなく、発火点となるコミュニティ、増幅装置としてのSNS、社会的信用と到達を担うメディア(ポータル/ニュース/クリエイター/コマース)が連動して起きます。

日本企業が韓国マーケティングで成果を出すには、この拡散の“配線”を理解し、最初から設計しておくことが近道です。
本稿では、韓国トレンドが生まれて広がる構造を分解し、韓国マーケティングの実務(KPI・導線・コンテンツ設計)として再現できる形に落とし込みます。

 

韓国マーケティングで「トレンド設計」が重要な理由

このセクションでは、なぜ韓国市場攻略で“トレンドの作られ方”を理解すべきかを整理します。ここが腹落ちすると、単発の広告施策から一段上の設計に移れます。

韓国では、ユーザーがSNSで見た情報をその場で信じ切るというより、検索やポータル記事で補強しながら意思決定する動きが起きやすいとされています。

 

つまり、拡散は「SNSだけ」では完結しません。

 

 
韓国マーケティングの現場で重要なのは、

①コミュニティで一次情報が生まれ、 ②SNSで視覚化され、 ③検索・ポータル・メディアで納得が形成され、④購買に落ちる、という

一連の流れを前提に、最初から“道”を作ることです。

 

データで押さえる:韓国の「情報接触」の前提

ここでは、拡散設計の前提となるメディア環境を整理します。前提がずれると、韓国マーケティングの施策は再現性を失いがちです。
 

  • 韓国はインターネット利用の裾野が広く、スマホ中心で意思決定が進みやすい環境です。
  • SNS利用は高水準で、世代別の利用傾向や主要プラットフォームの役割差を押さえることが重要です。
  • ニュース接触は「個別メディア」より、ポータルやプラットフォーム経由になりやすいという特徴があります。SNSで見た話題を、検索→ポータル記事で確認して“確信”に変える動きが起きやすい点は、韓国マーケティングで見落としがちなポイントです。

 

韓国トレンドの3層構造:発火・増幅・定着

ここでは、韓国トレンドが「どこで生まれ、どこで強まり、どこで確定するか」を俯瞰します。ポイントは、バズの規模より“移動経路”です。これはそのまま韓国マーケティングの設計図になります。

 

1) 発火:テーマ特化コミュニティが「一次情報」を作る

韓国では、関心テーマごとの集団が強く、レビュー、比較、体験談(UGC)が一次情報になりやすい土壌があります。

匿名性の高い掲示板型、準実名のコミュニティ型など形は異なりますが、共通するのは「濃い当事者」が集まり、解像度の高い言葉と写真が蓄積される点です。

 

ここで生まれた“言い回し”、“論点”“ランキング”が、のちのSNS拡散素材になります。

 
日本企業にとって重要なのは、ここを「広告枠」ではなく「市場の声のデータベース」と捉えることです。刺さる表現、避けるべき地雷、比較軸(価格・成分・サイズ・香り等)が、コミュニティの会話から抽出できます。

 

 ※ 弊社の運営するネイバーカフェコミュニティ

 

2) 増幅:ショートフォームが「視覚化」して広げる

コミュニティで生まれた断片は、Instagramリール、YouTubeショート、TikTokなどで短く編集され、理解コストを下げながら広範囲に届きます。ショートの強みは「情報の正誤」より先に「試してみたくなる具体性」を見せられることです。

 
たとえば化粧品なら“塗った直後と数時間後”、食品なら“開封〜調理〜食感”、ガジェットなら“設定〜動作〜弱点”までを短時間で見せ、コメント欄で追加質問を受ける。こうした設計が、保存・共有を生み、次の検索行動につながります。

 
韓国マーケティングで効かせるなら、ショート動画は「バズ狙い」よりも「比較・検証・再現」を軸にすると、保存や検索に繋がりやすくなります。

 ※ 弊社にて支援した某商品の韓国PRにおける一部

 

3) 定着:ポータル/ニュース/長尺が「安心」と「文脈」を付ける

一定の話題量に達すると、ニュースや情報番組、まとめ記事、長尺レビューが増え、トレンドが“社会化”します。

ここで初めて、一般層が「みんなが言っているから」ではなく、「根拠がありそうだから」と判断できる状態になります。
韓国では、ポータルを起点にニュースを消費する行動特性が報告されており、SNS→検索(NAVER検索など)→ポータル記事の導線を最初から用意しておくと、認知が購買に落ちやすくなります。

 


プラットフォーム別「役割」とKPI設計(韓国マーケティング実務)

ここでは実務に落とすために、主要チャネルの役割を整理します。韓国SNSマーケティングは“全部やる”ではなく、役割分担が肝です。狙うKPIを先に固定すると、施策がブレにくくなります。

 

主な場役割代表KPI施策例
発火テーマコミュニティ、レビュー課題発見・言語化・比較保存/コメント、指名検索の芽体験者の声設計、FAQ素材化
増幅TikTok/リール/ショート伝播・理解促進視聴維持、シェア、保存15〜30秒の“結論先出し”
定着ポータル/ニュース/長尺信用付与・文脈化検索流入、滞在、指名検索増調査/監修、ストーリー記事
購買EC/オフライン/メッセージ変換CVR、リピート、LTVクーポン、セット提案、再来店

 

さらに実務では「メッセージ接点」を軽視しないことが重要です。韓国ではKakaoTalkが生活インフラに近い位置づけで、購入後の再接触や会員施策の“母体”になりやすいからです。韓国マーケティングでは短期の獲得だけでなく、再購入やレビュー回収までを前提に接点を設計してください。

 


事例で理解する:再現しやすい2つの拡散パターン

ここでは業界を問わず使える“型”として、拡散の起点と伸ばし方を整理します。韓国マーケティングで重要なのは「同じ型を別商材に当てはめて検証する」ことです。

 

パターンA:レビュー集合知が「選び方」を作り、動画が拡散する

スキンケア、食品、生活雑貨などは、成分・価格・使い方の比較がコミュニティで進みます。そこで生まれた“選び方”が、ショート動画で「短時間で分かる比較」として再編集され、検索需要を呼びます。

 
日本企業は、比較軸(例:肌質、季節、悩み)を現地語で提供し、UGCが生まれやすいテンプレ(チェックリスト、質問票、注意点)を渡すと回り始めます。レビューが増えたら、よくある質問をまとめた記事や監修コメントで“安心”を追加します。

 

パターンB:ファンダムが「物語」を作り、メディアが社会化する

K-コンテンツ領域では、ファンコミュニティが解説・切り抜き・考察を量産し、外部の視聴者を“学習”させます。一定の熱量が可視化されると、プラットフォームやメディアが特集し、一般層へ橋を架けます。

 
自社商材をこの構造に載せるなら、世界観より先に「参加ルール」「二次創作しやすい素材」「公式のリアクション速度」「ガイドライン」を整えるのが現実的です。トレンドは“語れる余白”があるほど強くなります。

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失敗しがちな落とし穴:日本企業がハマる3点

ここでは、韓国市場でつまずきやすい点を先に潰します。

韓国マーケティングは「言語」「運用」「信頼」の3つで失速しがちです。

1.翻訳の直訳で“刺さる言葉”を失う
日本語の訴求をそのまま韓国語にすると、比較軸やニュアンスがずれて響かないことがあります。コミュニティの言葉(略語、口語、評価表現)を先に拾い、コピーを“現地の言い方”に寄せるのが基本です。

 

2.インフルエンサー起点だけで、UGCが続かない
一度の投稿で終わると、検索と比較の層に届きません。体験者が語りやすいテンプレと、購入後の再レビュー導線(リマインド、特典、質問募集)まで含めて設計します。

 

3.広告表記の運用が甘く、信頼を落とす
ステマ疑念は拡散にとって大きなマイナスになり得ます。利害関係の開示や広告表記は、韓国のガイドラインを前提に、発信者にも運用ルールを共有してください。

 

日本企業向け:韓国マーケティングの拡散設計を“型”にする5ステップ

ここからは実装手順です。韓国市場攻略の成否は、初期の観測と検証スピードで決まります。

 

Step1 リスニング:コミュニティと検索で「言葉」を集める

韓国語の検索語(悩み/用途/比較/価格)と、コミュニティで使われる俗語・略語を収集します。季節性や急上昇はトレンドツールで把握し、ポータル上位記事が何を根拠にしているか(専門家、統計、比較表)も確認します。
この段階のゴールは「勝てる言い方」と「比較軸」を確定し、コンテンツの設計図に落とすことです。

 

Step2 シード:体験者を小さく作り、レビューの“型”を配る

多くの場合、広告より体験談(UGC)が拡散の燃料になります。配布やイベントは小さく始め、レビューで書くべき観点(比較軸・写真角度・注意点)をテンプレ化して渡します。ここでのKPIは「投稿数」より「保存される投稿」「比較される投稿」です。

 

Step3 増幅:ショート動画を“検証コンテンツ”に寄せる

韓国のショートはエンタメだけでなく、検証・比較・再現が強いジャンルです。「結論→根拠→使い方→注意点」の順に構成し、保存とコメントを狙います。コメント欄は次のUGCの入口なので、公式は返信ルール(いつ、誰が、どこまで)を決めます。

 

Step4 定着:調査・監修・データで“安心”を補う

話題が出た段階で、第三者データや専門家監修を加えた記事・ホワイトペーパーを用意します。

SEOは韓国語表記の揺れ(スペース、英字、ハングル)を統一し、FAQ構造で検索意図を取り切ります。
この「裏取りコンテンツ」があると、購買直前の不安を減らし、比較検討層の離脱を抑えやすくなります。

 

Step5 収益化:メッセージで再接触し、LTVを伸ばす

購入後の体験が再びコミュニティに戻り、次の波を作ります。

メッセージ配信は短期割引だけでなく、再購入理由(季節、悩み、在庫切れ)に合わせて出し分け、レビュー依頼を“押し付け”に見せない設計が重要です。KakaoTalkなどのメッセージ接点を、後工程ではなく“最初から”組み込んでください。

 


おわりに:トレンドは“追う”より“流れる道”を作る

韓国トレンドは、コミュニティで一次情報が生まれ、SNSで視覚化され、検索・ポータル・メディアで信頼が付与され、コマースで購入可能になります。日本企業が韓国マーケティングで勝つには、

①言葉の発見、②UGCの型、③ショートの再編集、④データでの裏取り、⑤購入後の再拡散、までを一気通貫で設計することです。

 
最後に、すぐ動ける最小単位を置きます。まずは「1カテゴリ×1悩み×1比較軸」を選び、コミュニティで言葉を集め、ショートを3本作り、FAQ記事を1本用意し、1週間だけ検証してください。数字が小さくても、コメントの質問と検索語の変化が次の勝ち筋を教えてくれます。

 

【実行チェック(最小セット)】
□ コミュニティから“比較軸”を3つ抽出した
□ ショート動画を「結論→根拠→注意点」で3本作った
□ FAQ記事(検索想定)を1本用意した
□ 購入後の再接触(メッセージ/レビュー依頼)を設計した
□ 広告表記・ガイドラインを運用ルールに落とした



 

参照