【2026年版】韓国越境EC完全ガイド|Coupang・NAVERスマートストアへの出店手順と”売れる”集客設計

はじめに|「出店の仕方」だけでは韓国越境ECは成功しない

「日本の商品を韓国のオンラインで売りたい」と考える企業が増えています。

韓国は世界有数のEC先進国であり、日本商品への需要も安定的に高い市場です。

一方で、韓国越境ECを解説する日本語記事の多くは、決済会社や物流会社の視点で書かれた「出店手順」の説明で終わっています。しかし実際に成果を左右するのは、出店後の集客です。韓国の消費者はNAVER検索やレビュー、SNSを行き来しながら購買を決めるため、モールに商品を並べるだけでは売れないのが実情です。

本記事は、ソウル・釜山に現地法人を構える韓国特化マーケティングチーム「InFluK(インフラック)」が、韓国統計庁(国家データ処)の公式データとCoupang・NAVERの一次情報をもとに、市場データの確認から、参入方式の選び方、主要モールの比較、出店手順、そして出店後の集客設計までを一気通貫で解説するものです。

 

韓国市場攻略の全体像(NAVER・Kakao・広告・インフルエンサーの使い分け)は

【2026年版】韓国マーケティング完全ガイド」で解説しています。

いま韓国で日本商品が売れている背景(対日好感度・訪日データの最新分析)は
なぜ今、韓国で「日本」が売れるのか」で解説しています。 

 

韓国EC市場の最新データ|日本企業が知っておくべき3つの数字

まず、公式データで市場の地盤を確認します。

 

市場規模:月間のオンライン取引額は20兆ウォン超え

韓国統計庁(国家データ処)の発表によると、2025年6月の韓国オンラインショッピング取引額は21兆8,977億ウォンで、前年同月比1.8%増でした。同年9月には23兆7,956億ウォンと、前年同月比13.3%増を記録しています。年間では、2024年のオンラインショッピング取引額が約242兆ウォン規模と報じられており、日本円換算でおよそ25兆円前後に相当する巨大市場です。

特筆すべきはモバイル比率です。2025年6月時点で、オンライン取引額のうちモバイル経由が77.8%を占めています。韓国越境ECでは、商品ページも広告もモバイル前提で設計することが出発点になります。

 

越境EC輸入:日本は中国・米国に次ぐ第3の供給国

韓国の消費者が海外から直接購入する「海外直接購買(직구)」の市場も拡大が続いています。

統計庁によると、2025年第2四半期の海外直接購買額は2兆1,762億ウォンで前年同期比5.6%増でした。国・地域別では中国(1兆4,660億ウォン)、米国(3,580億ウォン)に次いで、日本が1,461億ウォンで第3位です。日本からの購買額は前年同期比6.1%増と、着実に伸びています。

つまり、日本商品を韓国の消費者がオンラインで「直接買う」行動は、すでに定着した消費習慣だと言えます。

この流れに乗る手段が、韓国越境ECへの出店です。

 

プラットフォーム勢力図:CoupangとNAVERの2強体制

韓国EC市場は、CoupangとNAVERの2強体制が鮮明です。

調査会社WiseApp・Retailの推算によると、2024年の総取引額(GMV)はCoupangが約55兆ウォン(シェア22.7%)、NAVERが約50兆3,000億ウォン(同20.7%)で、G마켓(約14兆ウォン)、11番街(約7兆ウォン)を大きく引き離しています。

直近の勢いも両社に集中しています。Coupangの2025年第3四半期売上は前年同期比20%増の12兆8,000億ウォン、アクティブ顧客数は2,470万人に達しました。NAVERも同四半期にコマース部門売上が前年比35.9%増となり、スマートストアの取引額は12.3%伸びています。

日本企業が韓国越境ECを検討する際、この2強のどちらか(または両方)を軸に据えるのが基本戦略になります。

 

  

韓国越境ECの2つの参入方式|「越境出店」と「現地流通」

韓国のオンラインで日本商品を販売する方法は、大きく2つに分かれます。

 

方式1:越境ECモールへの直接出店

日本の法人・事業者のまま、韓国ECモールのグローバルセラー制度を使って出店する方式です。

Coupangなどは海外事業者向けの出店枠を設けており、日本にいながら韓国の消費者に直接販売できます。初期投資を抑えてテスト販売を始めたい企業に向いています。

在庫は日本から国際配送する形が基本ですが、Coupangは2024年に「ロケット直購(로켓직구)」関連の越境サービスを拡充し、日本国内のCoupang倉庫に商品を預けておくことで、韓国の消費者へ最短3日で届けられる仕組みも整備されたと報じられています。配送スピードが購買を左右する韓国市場において、この物流オプションの価値は小さくありません。

 

方式2:現地パートナー経由の販売・現地法人での出店

韓国の販売代理店(ベンダー)に卸す、または現地法人を設立して国内セラーとして出店する方式です。

NAVERスマートストアの本格運用や、Coupangのロケット配送(直仕入れ)への納品を狙う場合は、現地の事業者番号や体制が必要になる場面が多く、この方式が視野に入ります。

物流・CS・マーケティングを現地水準で回せる一方、投資と体制構築の負担は大きくなります。まず方式1でテストし、売れ筋が見えた段階で方式2に移行する二段階アプローチが、リスクを抑えた進め方として現実的です。

 

主要ECモール比較|Coupang・NAVERスマートストア・11番街・Gmarket

日本企業が候補にしやすい主要モールを比較します。

選び方の目安は次の通りです。

物流とスピードで勝負するならCoupang、検索とブランドで育てるならNAVERスマートストア、というのが基本の役割分担です。韓国では消費者が複数モールを使い分けるため、主力1モール+サブ1モールの複線展開も検討に値します。

なお、各モールの販売手数料はカテゴリや販売条件で変動します。たとえば11番街は16〜18%程度と紹介されることが多い一方、実効手数料は決済手段やプロモーション参加で変わるため、出店前に必ず最新の公式料率表で確認することをおすすめします。

 

Coupang出店の手順|グローバルセラー登録から販売開始まで

Coupangへの越境出店は、おおむね次のステップで進みます。

  1. グローバルセラー登録:Coupangの海外セラー向けページ(Global Sellers)から販売者登録を行います。事業者登録証などの基本書類で申請でき、韓国の銀行口座がなくても登録可能とされています。
  2. ストア・商品情報の整備:商品名・詳細ページを韓国語で用意します。自動翻訳機能も提供されていますが、検索対策と信頼性の観点から、ネイティブによる翻訳・リライトが望ましいと考えられます。
  3. 物流方式の選択:日本からの直送か、フルフィルメントサービスの活用かを決めます。前述の通り、日本国内倉庫を経由して韓国へ短納期配送する越境向けオプションも整備が進んでいます。
  4. 価格・プロモーション設計:Coupangは価格・在庫・配送スピードが商品露出に影響する仕組みを持つとされています。国際送料と手数料を織り込んだうえで、競争力のある「最終価格」を設計します。
  5. CS体制の構築:韓国語での問い合わせ対応が必要です。Coupangは日本の販売者向けに日本語コールセンターや日本語ウェビナーなどの支援プログラムを提供していると紹介されており、初期はこうした公式サポートを活用できます。

 

Coupangの月間アクティブユーザーは約3,086万人(2024年3月時点、Pulse調査)と報告されており、韓国人口の半数以上にリーチできる規模です。まず「売れるかどうか」を検証する場として、越境出店のハードルが相対的に低いモールと言えます。

 

NAVERスマートストアの出店条件と特徴

NAVERスマートストアは、韓国最大の検索ポータルNAVERの中に自社ストアを持てるサービスです。

出店面の特徴は次の通りです。販売者区分に「個人」「事業者」「海外事業者」の3類型があり、海外事業者は現地国の事業者登録番号を用いて加入します。ただし海外事業者には一部取り扱い制限のあるカテゴリが存在するため、自社商材が対象かを事前に確認する必要があります。また、本格的な運用では韓国法人や現地パートナー名義での出店が推奨されるケースも多く、体制に応じた設計が求められます。

マーケティング面での最大の価値は、NAVER検索との接続です。韓国の消費者は「商品名+후기(レビュー)」「商品名+추천(おすすめ)」といった検索を経て購買を決める傾向があり、スマートストアはこの検索行動の受け皿になります。NAVERは2025年にAI基盤のショッピングアプリ「NAVERプラスストア」を投入し、コマース部門を急成長させており、検索×ショッピングの統合はさらに進むとみられます。

Coupangが「物流の力で売る」モールだとすれば、スマートストアは「検索とコンテンツの力で売る」モールです。この違いを理解しないまま出店すると、後述する集客設計でつまずきやすくなります。

 

出店前に押さえる法規制・物流・決済の注意点

韓国越境ECには、日本と異なる制度・商習慣があります。代表的な注意点を整理します。

認証・表示規制:電気用品や子ども向け製品などはKC認証の対象になる場合があります。また、食品・化粧品には韓国語表示(ハングルラベル)の義務が課される類型があります。たとえば菓子類などの輸入食品は、通関前までに「食品等の表示基準」に沿った韓国語表示が必要とされています(JETRO)。商材によって必要な手続きが大きく異なるため、カテゴリ確定の段階で規制確認を行うことが重要です。

 

食品カテゴリにおける衛生法・通関・表示対応の考え方は

【2026年版】韓国食品の輸入完全ガイド|食品衛生法・通関・調達網からB2B販路までを解説」も参考になります。

 

返品制度:韓国の電子商取引法制では、消費者は原則として一定期間内(一般に7日以内)の返品・撤回が広く認められています。越境販売でも返品前提の物流・コスト設計が必要です。

 

通関区分:少額商品の目録通関と、一般輸入申告では手続きとコストが変わります。販売価格帯と通関区分の関係を事前に把握しておくと、想定外のコスト増を防げます。

 

決済・精算:モール経由の販売では決済はモール側が担いますが、精算サイクルや為替手数料は収益性に直結します。精算条件は出店判断の比較項目に含めることをおすすめします。

 

これらは頻繁に更新される領域です。必ず各機関・モールの最新の公式情報を確認し、必要に応じて専門家の助言を得てください。

 

出店しただけでは売れない|韓国越境ECの集客設計4ステップ

ここからが、多くの解説記事に書かれていない本題です。

韓国の消費者は「モール内で偶然見つけて買う」のではなく、「検索し、レビューを確かめ、比較してから買う」行動をとります。この情報動線に合わせた集客設計が、越境EC成功の分岐点です。

 

ステップ1:NAVER検索での「発見される状態」をつくる

韓国ではNAVERブログ・カフェの投稿が検索結果の上位に表示されやすく、購買前の情報収集の中心になっています。商品名・ブランド名で検索したときに、韓国語のレビュー記事や紹介コンテンツが出てくる状態を先につくることが、モール流入の土台になります。

NAVERの検索構造と対策の全体像は 「【2026年版】韓国SEO完全ガイド」で解説しています。

ブログ・カフェ・知識iNを連携させたオーガニック流入の設計は

NAVER「知識iN・カフェ・ブログ」を束ねる三位一体戦略」を参照してください。

 

ステップ2:レビュー(口コミ)の初期在庫を積む

韓国の消費者はレビューの量と質を重視するとされ、レビューゼロの商品は検討の土俵に乗りにくい傾向があります。発売初期にインフルエンサーやKOC(一般消費者に近い発信者)による体験レビューを計画的に生成し、モール内レビューとNAVER上のレビューの両方を育てる設計が有効です。

インフルエンサー起用コストの相場観と見積もり設計は 「韓国インフルエンサー費用の決まり方」を参照してください。

 

ステップ3:広告で検索需要を刈り取る

商品理解が進んだら、NAVER検索広告・ショッピング広告やCoupang広告で、顕在化した検索需要を確実に獲得します。

媒体ごとの使い分けと予算設計は 「NAVER広告(SA / Shopping / Display)の使い分け」で整理しています。

 

ステップ4:CRMとライブコマースでリピートを育てる

初回購入者をカカオトークチャンネルの友だちに転換し、再購入を促す導線をつくります。また、韓国ではNAVERショッピングライブなどのライブコマースが購買転換に強いチャネルとして定着しており、新商品投入時の起爆剤になります。

カカオチャネルを使ったCRM設計は 「【2026年最新】カカオトーク活用法」で解説しています。

プラットフォーム別のライブコマース活用戦略は

韓国ライブコマース最前線|プラットフォーム別成功戦略ガイド」を参照してください。

この4ステップは「出店後」ではなく、出店準備と並行して設計しておくことが望ましいと考えられます。商品登録日とレビュー・コンテンツの立ち上がりを揃えられるかどうかで、初速が大きく変わるためです。

 

韓国越境ECでよくある失敗パターン

現地で日本企業の支援をするなかで、繰り返し目にする失敗を挙げます。

失敗1:日本語ページの機械翻訳で出品する不自然な韓国語は信頼性を大きく損ないます。検索キーワードも日本語の直訳では韓国の検索実態とずれるため、ネイティブによるローカライズが必要です。

文化に根ざした翻訳・最適化の進め方は 「韓国語ローカライゼーションの成功戦略」で解説しています。

失敗2:価格設計に送料・手数料・返品コストを織り込まない。越境ECは国内販売よりコスト項目が多く、日本の売価をそのまま持ち込むと利益が残らないことがあります。

失敗3:レビュー施策を後回しにする。「売れてからレビューが付く」のを待つ戦略は、レビュー重視の韓国では機能しにくいとされています。

失敗4:モールの選定を「知名度」だけで決める。商材特性(回転率型かブランド型か)とモール特性(物流型か検索型か)のマッチングを誤ると、広告費をかけても伸びません。

失敗5:規制確認を出店後に始める。KC認証や表示義務への対応漏れは、販売停止のリスクに直結します。

 

FAQ|韓国越境ECに関するよくある質問

Q1. 韓国語ができなくても出店できますか?

A. Coupangなどは日本語サポートや自動翻訳を提供しており、登録自体は可能とされています。

ただし商品ページの品質やCS対応の面で、韓国語対応体制(社内または外部パートナー)はほぼ必須と考えたほうが安全です。

 

Q2. 個人事業主でも出店できますか?

A. モールによりますが、Coupangは事業者登録証があれば海外事業者でも出店可能と案内されています。カテゴリや商材による制限があるため、公式の最新条件をご確認ください。

 

Q3. 最初にかかる費用はどのくらいですか?

A. NAVERスマートストアの入店手数料は無料、Coupangも出店自体の初期費用は低く抑えられます。実際のコストの中心は、販売手数料・物流費・翻訳やコンテンツ制作費・広告費です。

 

Q4. どんな日本商品が売れていますか?

A. 統計庁のデータでは、韓国の海外直接購買は衣類・ファッション、食品、生活用品などのカテゴリが大きいとされています。日本商品では、日本でしか買えない食品・日用品・ホビー関連や、品質への信頼が効くカテゴリに需要があると報告されています。

 

Q5. 出店からどのくらいで成果が出ますか?

A. 一概には言えませんが、レビューと検索コンテンツの立ち上げに2〜3ヶ月、広告最適化を含めて6ヶ月程度を初期検証期間とみるのが現実的です。

 

まとめ|「出店」と「集客」をセットで設計することが成功条件

韓国越境ECのポイントを整理します。

 

  • 韓国のオンライン市場は月間20兆ウォン超・モバイル比率約78%の巨大市場で、日本は越境EC輸入の第3位の供給国です
  • プラットフォームはCoupang(物流型)とNAVERスマートストア(検索型)の2強で、商材特性に応じた選定と複線展開が基本です
  • 出店手続き自体のハードルは下がっている一方、規制・返品・価格設計など越境特有の実務が成否を分けます
  • そして最大の分岐点は、NAVER検索・レビュー・広告・CRMを組み合わせた「出店後の集客設計」を、出店準備と同時に走らせられるかどうかです

 

とはいえ、韓国語でのコンテンツ制作、NAVERの検索対策、インフルエンサーやKOCの起用、モール運用の最適化を日本から同時に進めるのは、決して簡単ではありません。プラットフォームの仕様変更も速く、現地の最新動向を追えるパートナーの有無が成果を左右するのが実情です。

InFluKは、韓国ソウル・釜山に現地法人を構え、メンバーの3割が韓国人、半数が韓国語ネイティブレベルで対応できる韓国市場専門のマーケティング支援チームです。越境EC出店後の商品ページローカライズ、NAVER SEO・広告運用、レビュー・インフルエンサー施策、カカオチャネルを使ったCRMまで、韓国現地の最新トレンドを踏まえてワンストップでご支援できます。

「韓国のECモールに出したが売れ行きが伸びない」「出店準備と集客設計を同時に進めたい」といったお悩みがあれば、ぜひ一度InFluKまでお気軽にご相談ください。貴社の商材・フェーズに合わせて、最適な韓国越境EC戦略をご提案いたします。

韓国マーケティング InFluKのサービスページはこちら:https://influk.bwell.jp/

※本記事に掲載した数値・制度・モールの仕様は、各調査・発表時点の情報です。ECモールの出店条件や手数料、通関・認証制度は頻繁に更新されるため、個別の出店検討にあたっては必ず最新の公式情報をご確認ください。

 


 

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