NAVERスマートストアとは?日本企業の出店方法・必要書類・手数料【2026年版】|韓国法人なしで「海外事業者」として加入する手順と売れる運用

はじめに|日本企業はスマートストアに「海外事業者」として加入できます

韓国のEC市場で、クーパンと並んで外せない売り場がNAVERのスマートストアです。日本企業から多い質問は「韓国法人がなくても出店できるのか」「何を用意すればいいのか」の2つです。

 

結論から言うと、日本企業は韓国法人を作らずに「海外事業者」としてスマートストアに加入できます。

NAVERのスマートストアセンターの公式ヘルプには、「日本の事業者の必要書類」という項目が設けられており、日本の登記事項証明書(履歴事項全部証明書)が提出書類として指定されています。

 

ただし、海外事業者には手数料の優遇がなく、早期精算や返品送料保険が使えないなど、韓国の国内事業者との違いもあります。

本記事では、スマートストアセンターの公式ヘルプとNAVERのIR資料をもとに、日本企業がスマートストアで売るための手順、費用、注意点、売れる運用を整理します。

クーパンを含めた韓国の越境ECの全体像は韓国越境EC完全ガイドで扱っています。

 

なお、日本で「スマートストア」と検索すると、NAVERが日本向けに提供していた「MySmartStore」の情報が混ざることがあります。MySmartStoreは日本国内の販売者がLINEと連携するネットショップを作るサービスで、2024年7月31日にサービスを終了しています。

韓国の消費者に売るためのサービスではないので、本記事のスマートストアとは別物です。

 

スマートストアの現在地|2026年に伸びが加速

NAVERのIR資料によると、スマートストアの取扱高は2025年に前年比10%増え、2026年4〜6月期には前年同期比15.5%増と伸びが加速しています。取扱高の絶対額は公表されていません。

 

伸びを支えているのが、2024年10月に始まり、2025年3月に単独アプリになった「NAVERプラスストア」です。

AIによる個人別の商品推薦を前面に出したショッピングアプリで、韓国の報道(モバイルインデックス調べ)によると2026年5月の月間利用者数は875万人と、クーパン(3,490万人)に次ぐ国内2位のショッピングアプリになりました。NAVERは、2025年10〜12月期にプラスストアのAI推薦エリアの取扱高が前四半期比54.6%増えたとも報じられています。

 

検索で見つけてもらう売り場から、AIに推薦してもらう売り場へ。スマートストアの運用は、この変化を前提に考える必要があります。

韓国のAI検索全体の動きは韓国のAI検索対策ガイドをご覧ください。

 

日本の事業者の必要書類|公式ヘルプが明記しています

スマートストアの販売会員は、韓国の国内個人、国内事業者、海外事業者に分かれます。日本企業は海外事業者として加入します。

スマートストアセンターの公式ヘルプは、海外事業者の加入書類のページに「日本の事業者の必要書類」という見出しを設け、次の3点を挙げています。

 

英文翻訳が必要です

英語圏以外の国の事業者は、パスポート以外の書類について、現地語の書類と英文翻訳の両方を提出する必要があります。公式ヘルプによると、発行機関から英文版を受け取った場合は別途の公証は不要ですが、発行機関が英文版を出せない場合は、領事館または翻訳機関で公証を受けた英文翻訳を提出します。翻訳機関の印が確認できることが条件で、個人が翻訳した書類は審査されません。

 

法務局は英文の登記事項証明書を発行していないため、実務上は翻訳機関の印がある公証翻訳を用意することになると考えられます。翻訳会社の翻訳証明で足りるかどうかは、事前に確認しておくと安心です。準備に時間がかかる部分なので、最初に手配しておくと全体が早く進みます。

 

個人事業主の場合の注意点

公式ヘルプは、個人事業主が開業届で加入する場合、事業者番号の入力欄に開業届に記載された「個人番号」を記入するよう案内しています。そのうえで、個人番号を含む事業者情報が公開されることに同意する場合に加入を進めるよう求めています。開業届の「個人番号」はマイナンバーで、日本の番号法で提供が制限されています。公開を前提に登録してよいかは専門家に確認し、法人で加入できる場合は法人での加入をおすすめします。法人の場合に事業者番号の欄に何を入力するかは、公式ヘルプでは明記されていませんでした。

 

審査と郵送認証|「3営業日」だけで見積もらない

公式ヘルプによると、審査はすべての書類の提出から3営業日以内に行われ、結果はメールで届きます。審査が終わる前でも商品の登録はでき、承認後に表示されるようになります。

 

注意したいのは、審査とは別の手続きが2つあることです。

  • マネーロンダリング対策の顧客確認(AML):別途審査され、最大5営業日、混雑時は最大14営業日かかることがあります。海外法人の場合は、設立を証明する書類や株主構成が分かる書類を求められます
  • 郵送の認証申請書:海外事業者の事業所の住所に、NAVERから認証申請書が一般郵便で届きます。記入した申請書と封筒の認証シールを代表者が持っている写真を撮り、位置情報(GPS)が含まれた状態で提出します。現在の事業所の所在地で撮影する必要があり、メールでの認証や従業員による認証はできません

 

国際郵便の到着を待つ時間があるため、加入から販売開始までは「3営業日」ではなく、余裕をもって見込んでおくのが安全です。

 

手数料|海外事業者は合計約6.63%(VAT込)

スマートストアの手数料は基本的に2種類です。決済と注文管理にかかる「Npay手数料」と、スマートストアで注文が入るたびに商品代金に対してかかる「販売手数料」(流入元によって3%または1%)です。流入元や商品によっては、ショッピングライブなどの手数料が追加でかかる場合があります。

公式ヘルプの計算例では、1万ウォンの商品が売れた場合、Npay手数料363ウォンと販売手数料300ウォンが差し引かれ、9,337ウォンが精算されます。販売者自身の集客経由なら販売手数料が100ウォンになり、9,537ウォンが精算されます。つまり海外事業者の実質的な手数料は、通常約6.63%、自社集客分は約4.63%(いずれもVAT込)です。

 

販売者自身の集客にあたるのは、公式ヘルプの例ではNAVERのショッピング検索広告やパワーリンク広告を経由した購入、ブランドのSNSに置いたマーケティング用リンクを経由した購入です(SNSから1%を適用させるには、マーケティング用のリンクを使う必要があります)。NAVERプラスストアのアプリでの露出による購入は通常の3%です。自社でSNSや広告から客を連れてくるほど手数料が下がる設計なので、スマートストアの運用はSNSや広告と組み合わせて考えるのが基本になります。

 

なお、韓国の国内事業者の手数料を含む全体の費用感は韓国マーケティングの費用相場で整理しています(同記事の手数料はVAT別で表記しています)。

 

精算|ビズウォレット経由で日本円で受け取れます

海外事業者の売上は、NAVERの精算用ウォレット「ビズウォレット」に入り、出金を申請すると2営業日後に登録した海外の口座へ送金されます。中継銀行を経由するため、着金までの日数は国や銀行によって異なります。受け取れる通貨は米ドル、日本円、香港ドル、ユーロ、豪ドル、ニュージーランドドル、英ポンドです。

 

精算で気をつけたい点は3つあります。

  • 口座:事業者または法人名義の口座のみ登録でき、SWIFTネットワークに加入していない銀行は使えません
  • 少額出金:金額の制限はありませんが、30万ウォン以下を出金すると海外送金の手数料のほうが大きくなり、受取額がなくなる可能性があると公式ヘルプが注意しています
  • 入金までの日数:精算は購入確定の翌営業日です。購入確定は、追跡できる配送なら配送完了から8日目に自動で行われますが、海外から追跡できない方法で発送した場合は発送処理から45日目になります。追跡できる配送を使うことが、資金繰りの面でも大切です

 

海外事業者が使えないもの|国内事業者との違い

公式ヘルプで確認できた、海外事業者と韓国の国内事業者の主な違いを整理します。

健康機能食品は、海外に住む販売者には韓国の販売業申告証の発行が難しいため、販売できないと公式ヘルプに明記されています。化粧品や食品も、韓国の化粧品法や輸入食品の制度との関係を確認する必要があります。公式ヘルプが整理しているのは「海外購買代行」として販売する場合のルールで、化粧品は韓国で化粧品製造販売業の登録がある場合に限る、食品は輸入食品等購買代行業の申告が必要、とされています。日本のメーカーが自社商品を直送する場合にこの区分が当てはまるかは明記されていないため、事前に専門家に確認することをおすすめします。

化粧品と食品の規制は日本コスメを韓国で売るには?と韓国食品の輸入完全ガイドで解説しています。

 

扱う商品によっては、日本法人のまま小さく始め、売上が見えてきた段階で韓国法人や輸入代理店のルートに切り替える、という段階的な進め方も選択肢になります。

 

日本から直送する場合の注意点

日本から韓国の購入者へ直接発送する場合、次の点を押さえておく必要があります。

  • 海外商品の販売権限:管理画面で「海外商品販売」の権限を申請し、出荷地を海外の住所に設定します。商品ページには「海外直配送の商品案内」の表示が出ます。一度申請した海外商品の販売権限は解除できません
  • 商品名の「해외」表記:販売者が海外の商品を購入して海外から直接発送する場合は、商品名の先頭に「해외(海外)」と表記する必要があると公式ヘルプは定めています。自社製品を直送する場合が該当するかは文言上はっきりしないため、確認をおすすめします
  • 個人通関固有符号:出荷地を海外にすると、注文時に購入者が韓国の個人通関固有符号を入力する欄が自動で表示されます
  • 関税・付加価値税:韓国の関税庁の案内を報じた記事によると、個人が自分で使う物品は150ドル(米国からは200ドル)まで、正式な輸入申告なしで免税になります。日本からの発送は150ドルが基準です。ただし食品や機能性化粧品などは簡易な通関の対象外で、150ドル以下でも正式な輸入申告が必要とされています

 

代理店に運用を任せる場合|任せられる範囲が決まっています

スマートストアには、運用担当者ごとに権限を分ける仕組みがあり、「代理店」の権限を付与できます。公式ヘルプによると、代理店権限では商品管理、問い合わせ・レビュー管理、ストア管理、統計、プロモーション管理、広告管理ができる一方、販売管理(受注処理)、精算管理、特典・マーケティング管理(クーポンなど)はできません。

 

つまり、アカウントの名義は日本企業のまま、韓国語での商品登録、広告運用、問い合わせへの返信を韓国の代理店に任せる、という分担が公式の機能で可能です。受注処理や精算は、自社で行うか、より強い権限のマネージャーを設定する必要があります。

 

売れる運用|検索ランキングは「適合度・人気度・信頼度」で決まる

NAVERショッピングのランキングの仕組み

スマートストアの商品は、NAVERショッピングの検索結果に表示されます。公式ヘルプによると、ランキングは「適合度」「人気度」「信頼度」のデータをもとに毎日更新されます。

ここで日本企業が見落としがちなのが、公式ヘルプが適合度の説明に添えている一文です。画像、詳細ページ、価格、オプション、送料の変更はランキングに影響しない、と明記されています(ただし、それらがクリックや販売を通じて人気度に影響することはあり得ます)。日本語の商品ページを丁寧に翻訳して作り込むことに力を注ぎがちですが、検索で見つけてもらうためにまず重要なのは、韓国語の商品名、正しいカテゴリ、ブランド、属性・タグの設定です。

 

販売者の等級とショッピングライブ

スマートストアの販売者等級は6段階で、直近1か月の販売実績をもとに毎月2日に更新されます。前月の販売額が80万ウォン以上で「새싹(芽)」、300万ウォン以上で「파워」、1,000万ウォン以上で「빅파워」となり、注文の履行や配送品質、顧客満足の基準も同時に満たす必要があります。

 

ライブコマース機能の「ショッピングライブ」は、새싹等級以上で使えます。ショッピングライブ経由の注文には、通常の販売手数料に加えてライブの手数料がかかり、一般のライブは1%、ライブカレンダーへの掲載や企画・提携ライブは3%です(いずれもVAT込)。まず月80万ウォンの販売とサービス点数の基準を満たして새싹等級を取り、ライブを使える状態にすることが、運用上の最初の目標になります。

 

ブランドパッケージとブランドストアの条件

NAVERショッピングのカタログ制作に直接参加し、修正を早く依頼できる「ブランドパッケージ」は、メーカーまたはブランドの本社が商標登録証を提出して申請できるもので、総代理店や販売者は申請できません。ブランドの本社がすべての権限を委任した場合は例外的に申請できます。ブランドストアは、ブランドパッケージの権限を持つストアの中から、NAVERの内部基準で表示権限が付与されます。ブランドストアの販売手数料は4%(自社集客分は2%、いずれもVAT込)です。日本のメーカーが自社ブランドで出店する場合は、韓国での商標の扱いも含めて確認しておく必要があります。

 

広告

NAVERショッピングの検索結果に表示される「ショッピング検索広告」はクリック課金で、NAVERショッピングに登録されたショップとの連携が必要です。最低入札額は、韓国の広告代理店の公開情報(NAVERの公式案内を2026年9月に確認したとするもの)では50ウォンからとされていますが、公式ヘルプでは確認できなかったため、広告管理画面で確認してください。また、海外事業者として加入したスマートストアでNAVERの検索広告アカウントを開設できるかは、公開情報では確認できませんでした。広告を前提に計画する場合は、事前に確認が必要です。

NAVER広告の種類と使い分けはNAVER広告(SA / Shopping / Display)の使い分けで解説しています。

 

出店までの流れ|日本法人の場合

 

よくある質問(FAQ)

日本企業は韓国法人がなくてもNAVERスマートストアに出店できますか?

できます。日本企業は「海外事業者」としてスマートストアに加入できます。スマートストアセンターの公式ヘルプには日本の事業者の必要書類が明記されており、代表者のパスポート、履歴事項全部証明書(個人事業主は開業・廃業等届出書)、日本の事業者または法人名義の口座の書類を提出します。

 

書類は日本語のままで提出できますか?

パスポート以外の書類は、日本語の原本と英文翻訳の両方が必要です。発行機関から英文版を受け取った場合は公証が不要ですが、英文版が発行されない書類は、領事館または翻訳機関で公証を受けた英文翻訳を提出します。個人が翻訳した書類は審査されません。

  

海外事業者の手数料はいくらですか?

Npay手数料が一律3.63%(VAT込)、販売手数料が3%(VAT込)で、合計は約6.63%です。販売者が自社の広告やSNSで集客した購入は販売手数料が1%になり、合計約4.63%になります。韓国の国内事業者向けの中小優遇は、海外事業者には適用されません。

 

売上はどのように受け取れますか?

売上はNAVERの精算用ウォレット「ビズウォレット」に入り、出金を申請すると2営業日後に海外の口座へ送金されます(着金までの日数は銀行によって異なります)。日本円で受け取ることができます。30万ウォン以下の少額出金は、海外送金の手数料で受取額がなくなる可能性があるため注意が必要です。

 

MySmartStoreとNAVERスマートストアは同じですか?

別のサービスです。MySmartStoreは日本の販売者がLINEと連携したネットショップを作る日本国内向けのサービスで、2024年7月31日に終了しています。韓国の消費者に売るには、韓国のスマートストアに海外事業者として加入します。

 

まとめ|「加入できる」と「売れる」の間を埋める準備を

本記事の要点です。

 

  • 日本企業は韓国法人なしで、スマートストアに「海外事業者」として加入できます。公式ヘルプに日本の事業者の必要書類が明記されています
  • 必要書類はパスポート、履歴事項全部証明書、日本の法人名義口座の書類で、パスポート以外は英文版(発行機関が出せない書類は公証翻訳)が必要です
  • 審査は3営業日以内ですが、顧客確認や郵送の認証申請書があるため、余裕をもった日程が必要です
  • 海外事業者の手数料は合計約6.63%(VAT込)で、自社集客分は約4.63%。中小優遇、早期精算、返品送料保険は使えず、健康機能食品は販売できません
  • 2026年はNAVERプラスストアのAI推薦を軸に取扱高の伸びが加速しています
  • 検索ランキングは適合度・人気度・信頼度で決まります。画像や詳細ページの変更はランキングに影響しないと公式が明記しているため、まず韓国語の商品名・カテゴリ・属性を整えてください

 

InFluKは、ソウル・釜山の現地法人として、スマートストアの加入書類の準備から、韓国語の商品名・カテゴリ設計、SNSや広告からの集客、ショッピングライブの企画までを支援しています。「自社の商品はスマートストアとクーパンのどちらから始めるべきか」という整理の段階からご相談いただけます。お気軽にお問い合わせください。

 

韓国マーケティング InFluKのサービスページはこちら:https://influk.bwell.jp/

 


 

参照