オリーブヤング入店後の売り方完全ガイド【2026年版】|올영세일・店頭MD・アプリ広告・体験団・ライブで「売れる日本ブランド」になる方法

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はじめに|入店した3,000ブランドのうち、年商100億ウォンを超えるのは116

オリーブヤングへの入店が決まった日本ブランドの担当者から、次に必ず聞かれる質問があります。「置いてもらえたのに、売れない。何をすればいいのか」。

オリーブヤングには3,000を超えるブランドが入店しています。そのうち年商100億ウォン(約11.6億円)を超えたのは2025年で116ブランド、1,000億ウォンを超えたのは6ブランドです。入店は競争の入口であって、売上はその後の設計で決まります。

 

本記事は、入店手順を扱ったオリーブヤングに商品を置くには?の続編です。

 

入店後にブランドが自分で動かせる仕組みを、オリーブヤングの公式発表と韓国の業界報道をもとに整理します。年4回のセール、新商品枠、レビュー獲得、店頭の陳列、アプリ内広告、ライブコマース、アワードという順番で見ていき、最後に90日の実務ロードマップと、オリーブヤングに依存しすぎないための考え方をまとめます。

 

なお、円換算は1円=約8.6ウォン(2026年9月末のKB国民銀行の売買基準率)で統一しています。

 

2026年のオリーブヤングの現在地|「店」から「アプリと観光商圏」へ

まず、売り場としてのオリーブヤングが2026年にどう変わっているかを数字で確認します。

3つの変化が読み取れます。第一に、店舗数は減り始めましたが売上は2割増で伸びており、「店を増やす」段階から「大型店・体験型・観光商圏に集中する」段階に移っています。2026年には100坪超の大型店78店を新規出店またはリニューアルする計画で(うち43店は首都圏外)、観光商圏の店舗151店では外国人売上が大きな比重を占めます。第二に、アプリの利用者が1,000万人を超え、売上の3割がオンラインになりました。第三に、外国人比率が33%まで上がり、日本は上位3か国に入っています。

 

日本ブランドにとっての意味は明確です。「どの店の棚に置くか」以上に、「アプリ内でどう見つけてもらうか」と「訪韓する日本人や外国人にどう買ってもらうか」が売上を左右する時代になっています。

入店後の費用構造|手数料は5割前後、そして2026年の公取委調査

売り方の前に、費用の現実を押さえておきます。ここは日本語の情報がほとんどない部分です。

 

公正取引委員会が2026年1月に公表した2024年流通取引実態調査(化粧品の平均販売手数料率40%)をもとに、韓国の経済メディアが各費目を合算したところ、オフラインの化粧品の場合、基本手数料40%に販売促進費4.75%、販売奨励金6.94%、情報提供料約3%が加わり、合計で約54.74%になるとされています。オンラインは44%超、ベンダーを経由するとさらに10〜15%が上乗せされるという報道もあります。別の経済メディアは「一般に35〜45%の販売手数料に物流費・陳列費を加えると最終的に50%台前半から半ば」と伝えています。個別の契約条件は公開されていないため、これらは業界報道の数値として理解してください。

 

制度面では、韓国の大規模流通業法により、流通業者が納品業者と共同で販促を行う場合、販促費の50%以上を流通側が負担する義務があります。ただし、納品業者が自発的に参加して割引率を自ら決める場合は例外とされています。

 

そして2026年、公正取引委員会は4月と9月の2回、オリーブヤング本社を現場調査しました。不当返品や、優越的地位を利用した販促費などの費用転嫁の疑いがあるとして調査が行われています。2023年にも独占ブランド政策や情報処理費の徴収などで制裁を受けており、ブランド側の費用負担は行政が注視している論点です。

支払い条件については、オリーブヤングが相生(共生)施策として2021年に直買入社から始めた買入代金の支払期限の短縮(60日→30日)を、2024年1月から全協力社に拡大したと公表しています。

 

日本ブランドの実務としては、セールに参加する前に「割引率×手数料率」で貢献利益を試算しておくことが出発点です。たとえば手数料が5割、セール割引が3割なら、定価に対して手元に残るのは3割台になります。この計算をせずにセールに乗ると、売上が増えても利益が消えます。

年4回の올영세일|売上の山であり、粗利の谷でもある

オリーブヤング最大の販促イベントが、3月・6月・9月・12月に開催される「올영세일(オルヨンセール)」です。各回7日間で、2026年の開催実績は次のとおりです。

セール期間のアプリ利用者は1回あたり約600万人で、2026年3月にはアプリ利用者が過去最高の1,038万人に達しました。グローバルモール(対象国に日本を含む)でも同時期にセールが連動します。

 

ブランド側から見ると、セールは年4回の「売上の山」であると同時に「粗利の谷」です。

韓国のマーケティングメディアは、消費者がセールを待ってカートに商品を保留するため、D2Cブランドの自社サイト流入がセール期間に減る現象を報告しています。つまりセールに参加しないと売れず、参加すると利益が薄くなる構造です。

 

実務で効くのは、セール前後の需要を平準化する設計です。セール外の期間に「今日の特価」枠、後述の올영라이브、新商品枠を使い、セールには「新規客の獲得」という目的を与えて割引率を決めます。セールで獲得した会員を、次のセールを待たずに買ってもらう導線に乗せられるかどうかが差になります。

 

新商品の初速|「올영신상」と탑리뷰어体験団でレビューを積む

入店直後の日本ブランドが最初に直面するのは、韓国語レビューがゼロという状態です。

オリーブヤングのアプリはAI推薦と検索が購買の入口になっているため、レビューがない商品は埋もれます。ここで使える公式の仕組みが2つあります。

 

올영신상(新商品専用ページ)

2026年6月に新設された、発売3か月以内の新商品だけを集めたアプリ内ページです。約300商品が掲載され、毎月第4週に「올영신상위크」として割引が組まれます。事前運用の期間だけで、掲載された新商品の売上が前月同期比35%増えたと報じられています(헤럴드경제、2026年6月19日)。新商品であれば自動的に候補になる枠なので、発売のタイミングをこの枠に合わせる価値があります。

 

탑리뷰어体験団

オリーブヤングはレビュー数や「役に立った」評価をもとに上位の「탑리뷰어」を毎週更新し(制度導入時の公表値では上位1,000人)、新商品の体験団に招待しています。ブランド別に先着で募集され、募集事例を見ると1商品あたり30〜100人規模が多くなっています。参加費用や選定基準は公開されておらず、MDとの協議で決まります。

 

日本ブランドの初速設計は「올영신상で露出→体験団で初期レビュー30〜100件→アプリ内広告で押す→セールで刈り取る」という順番が、公開されている仕組みだけで組み立てられます。

 

なお、韓国のコスメ購買ではオリーブヤングのレビューと並んで、成分・口コミアプリ「ファヘ」のレビューが参照されます。

 

ファヘ側でのレビュー構築はファヘ(화해)とは?で解説しています。

 

店頭の陳列と即日配送|棚は「もらう」ものではなく「取りに行く」もの

매대(陳列台)の種類

セール月には「P매대」と呼ばれるプロモーション陳列が組まれ、主力ブランドのメインショーケース、キャラクターとのコラボ陳列、カテゴリ複合陳列、まとめ売りの「덤프빈」などで構成されます。通常月には「올영픽」のエンド陳列が季節ニーズ(春の毛穴ケアなど)で編成されます。業界プランナーの観察では、電子棚札への切り替えも進んでいます。

 

陳列位置に応じた「陳列費」が別途かかることは딜사이트など業界報道で言及されていますが、単価は公開されていません。エンド陳列や企画陳列はMDとの協議で決まる枠なので、ブランド側は「セール月にどの陳列を取りに行くか」を四半期単位で計画し、その陳列に合う販促物と在庫を用意する必要があります。

 

오늘드림(即日配送)と欠品リスク

アプリで注文した商品を近隣店舗から数時間で届ける「오늘드림」は、2025年に全国で約2,000万件配送されました。都心型物流センター(MFC)は2026年7月時点で全国25か所です。ブランドが直接この仕組みを操作することはできませんが、主要商圏の店舗とMFCの対象SKUで欠品を出さない供給計画が、アプリでの露出と売上に直結します。即日配送の対象外になった商品は、アプリ内の検索や推薦でも不利になりやすいと考えられます。

 

アプリ内広告(リテールメディア)|少額から始められる3つの層

2024年9月、オリーブヤングはアプリ内の成果型広告を正式に開始しました。技術基盤はMolocoのコマースメディアで、閲覧・検索・カートのデータをもとに商品を推薦します。入店ブランドが使える広告は3つの層に分かれます。

公開されている成果事例では、新商品キャンペーンで平均14倍以上の購買率、30日以内にROAS 1,300%超という数字がMolocoから発表されています。単価や最低出稿額は公開されておらず、オリーブヤングのパートナーオフィスから申し込む形です。

 

もう1つ、外部から流入を取りに行く手段が「協力広告」です。オリーブヤングから商品カタログの権限を受け、MetaやTikTokの広告で直接オリーブヤングの商品ページに送客する仕組みで、ROASやCPAが計測できます。韓国の広告事業者の事例では、ROAS 640%、カートから購入への転換約29%という数字が公開されています。2025年9月にはWPP Mediaが協力広告のパートナー代理店として協約を結び、入店ブランド向けのコンサルティングを始めました。

 

つまり、日本本社が韓国語の運用を内製できなくても、外部の運用代理店を通じてオリーブヤングの広告を回す道が整っています。

 

올영라이브|無償のスタジオで、オンライン売上の4割を作る仕組み

オリーブヤング自社のライブコマース「올영라이브」は、2019年の開始から6年で年間注文額が300倍になり、参加ブランドは615、累計約1,300回配信されています。直近4年間、オンラインモール売上の40%以上がライブ参加ブランドから発生していると報じられています(아시아투데이、2026年3月4日)。

 

ブランドにとって重要なのは、参加のハードルが低いことです。ソウル聖水の大型店「올리브영N 성수」にあるライブ用スタジオはブランドに無償で貸し出され、初参加ブランドにはライブ専用クーポンが用意されます。事例として、目標比200%以上、320%を達成したブランドが紹介されています。

 

セールに頼らずに売上の山を作れる数少ない手段なので、日本ブランドは月1回のライブを固定の運用に組み込むことをおすすめします。

 

韓国のライブコマース全体の設計は韓国ライブコマース最前線もあわせてご覧ください。

어워즈と페스타|申請するものではなく、部門で上位に入るもの

올리브영 어워즈(11月末発表)

年に1度、1年分の購買データから部門別の1位を選ぶ「올리브영 어워즈」は、2025年は11月28日に発表されました。40部門・166商品で、2024年7月から2025年6月までの1億8,000万件の購買データが集計対象です。大企業とPBを除く1位の75%が中小ブランドで、2025年にはセルフビューティー、ハンドケア、口腔アフターケアなどの部門とグローバル3部門が新設されました。受賞商品は直後の12月セールで特価として展開されます。

 

オリーブヤングのアワード自体の受賞効果を示す一次データは公開されていませんが、参考として、口コミアプリ「ファヘ」の2025年アワードで3冠を取ったヘアケアブランドでは、受賞後に対象商品の注文が9倍、年間閲覧数が511〜740%増になった事例が報道されており、アワード露出の効果の目安になります。ただし、オリーブヤングのアワードは応募制ではありません。対策は「部門を選び、その部門でSKUを絞って売上上位に入ること」に尽きます。2025年に新設された部門は日本ブランドの得意領域と重なる可能性があるため、自社商品がどの部門で戦えるかを早めに確認しておくと計画が立てやすくなります。

 

올리브영 페스타(5月)

アワードとは別に、5月にはソウルのノドゥル島でオフラインの「올리브영 페스타」が開かれます。2025年は108ブランドが参加し、来場3万3,000人、参加ブランドの検索量は240%増、一部ブランドでは取引額が前月比380%増になったと広告代理店の제일기획が公表しています。2026年5月には幕張メッセで「올리브영 페스타 JAPAN」も初開催され、55ブランドが出展しました。日本ブランドにとっては、韓国での体験接点と、日本での逆輸入の接点を同時に持てる場になっています。

 

日本ブランドの現実|「日本製」だけでは差別化できない

ここで正直な現状も書いておきます。公開されている報道の範囲では、2025年の年商100億ウォン超116ブランドの主要な顔ぶれにも、アワード受賞166商品の報道にも、日本ブランドの名前は出てきません。

 

一方で新しい動きもあります。2025年8月、キャンメイクがオリーブヤング単独での韓国再進出を発表しました(ブランドストアとコミュニティ情報では8品目からのスタート)。2019年の日本製品不買運動で打撃を受け、2021年に撤退したブランドの再挑戦です。ただし、再入店後の売上や順位は公表されていません。韓国の業界関係者は「Kビューティーはトレンド性とコスパの高い商品を素早く出しており、『美容大国・日本製』という事実だけでは差別化が難しい」と指摘しています。

 

それでも日本ブランドに勝ち筋があるとすれば、2026年のオリーブヤングが持つ「二面性」を使うことです。オリーブヤングの売上の33%は訪韓外国人で、日本は上位3か国に入ります。つまりオリーブヤングは、韓国人に売る場であると同時に、韓国旅行中の日本人に「韓国で人気の日本ブランド」として買ってもらう場でもあります。さらにグローバルモールは会員453万人で日本への配送に対応しているため、韓国での実績を日本国内の販売に還流させる導線も作れます。

 

韓国人向けの訴求と、訪韓日本人向けの訴求を最初から分けて設計することが、日本ブランドの実務上の出発点です。

 

韓国での化粧品販売に必要な規制や販路の全体像は日本コスメを韓国で売るには?で扱っています。

 

オリーブヤングに依存しすぎない設計|2026年に起きている3つの変化

最後に、リスクの話です。2026年のオリーブヤングは売上を伸ばし続けていますが、ブランド側から見ると3つの変化が起きています。

 

  1. 費用負担の問題が行政の論点になっている。 前述のとおり、公取委は2026年に2回の現場調査を行いました。手数料と販促費の交渉において、ブランド側が根拠を持って話せる環境になりつつあります
  2. PBとの競合。 オリーブヤングは12のPBを持ち、主力PBのバイオヒールボは売上の約7割を海外で稼ぐ規模に育っています。同じカテゴリでPBと棚を争う可能性を織り込む必要があります
  3. 代替チャネルの台頭。 2026年8月末には韓国ダイソー(아성다이소)が建大入口にビューティー特化店を初出店し、9月にはムシンサビューティーが弘大に約600ブランド、インディ約7割の大型店を開きました。一部のインディブランドが独自流通を模索する「脱オルヨン」も報じられています

 

だからといってオリーブヤングを外す選択肢は、2026年時点では現実的ではありません。市場シェア20.2%、アプリ1,000万人という規模は他にないからです。

現実的な結論は「オリーブヤングで勝つ設計」と「オリーブヤングだけに依存しない設計」を同時に持つことです。

 

越境ECやクーパンとの併走は韓国越境EC完全ガイドで解説しています。

 

入店後90日の実務ロードマップ

ここまでの仕組みを、入店直後の90日に落とし込みます。

秋夕や年末など韓国の商戦期とセールが重なる時期の全体設計は韓国の年末商戦 完全ガイドで扱っています。

 

よくある質問(FAQ)

オリーブヤングの手数料はどのくらいですか?

個別契約は非公開ですが、韓国の経済メディアは2026年1月にオフライン化粧品で基本手数料40%に販促費・奨励金・情報提供料を加えて約54.74%、オンラインで44%超と報じています。陳列費や物流費が別途かかる場合もあります。公正取引委員会は2026年に販促費転嫁の疑いで現場調査を行っています。

 

올영세일(オルヨンセール)はいつ開催されますか?

3月・6月・9月・12月の年4回、各7日間です。2026年は3月1〜7日と8月30日〜9月5日の開催が確認されており、12月は例年12月初旬ですが2026年の公式日程は9月末時点で未発表です。

 

オリーブヤング入店後、レビューをどう増やせばいいですか?

発売3か月以内の新商品を集めた「올영신상」への掲載と、上位レビュアーを招待する「탑리뷰어体験団」(募集事例では1商品30〜100人規模)が公式の仕組みです。参加条件や費用は公開されておらず、MDとの協議で決まります。

 

オリーブヤングのアプリに広告は出せますか?

出せます。予約型のバナー広告、AI推薦枠のクリック課金型広告、店内サイネージの3種類があり、パートナーオフィスから申し込みます。MetaやTikTokの広告からオリーブヤングの商品ページへ直接送客する協力広告も利用できます。単価は非公開です。

 

올리브영 어워즈には応募できますか?

応募制ではありません。1年分の購買データから部門別に自動で選ばれます。対策は自社商品が戦える部門を選び、SKUを絞ってその部門で売上上位に入ることです。2025年は11月28日に発表され、受賞商品は12月のセールで展開されました。

 

まとめ|入店後の売上は「自分で動かせる枠」をどれだけ使うかで決まります

本記事の要点です。

 

  • 2026年のオリーブヤングは売上5.8兆ウォン、アプリ利用者1,000万人、外国人比率33%。売り場の重心は「店の棚」から「アプリと観光商圏」に移っています
  • 手数料は業界報道で5割前後。セール参加前に「割引率×手数料率」で貢献利益を試算してください。公取委が2026年に販促費転嫁を調査中です
  • 올영세일は年4回。売上の山であり粗利の谷なので、セール外の需要をライブと新商品枠で作ります
  • 新商品は「올영신상→탑리뷰어体験団→成果型広告→セール」の順で初速を設計します
  • アプリ内広告は予約型・成果型・店内の3層に加え、Meta・TikTokからの協力広告があり、外部代理店での運用が可能です
  • 올영라이브は無償スタジオとクーポンが用意され、オンライン売上の4割を作る仕組みです。月1回の固定運用を推奨します
  • 어워즈は応募制ではなく部門で上位に入るもの。페스타は5月にソウルと、2026年からは日本でも開催されています
  • 日本ブランドは「韓国人向け」と「訪韓日本人向け」の二面設計で臨み、オリーブヤングで勝つ設計と依存しない設計を同時に持ってください

 

InFluKは、ソウル・釜山の現地法人としてオリーブヤング入店後のMD協議、体験団やライブの運用、アプリ内広告と協力広告の運用代行、ファヘなど口コミ基盤との連動設計までを支援しています。「入店はしたが次の一手が分からない」という段階からご相談いただけます。お気軽にお問い合わせください。

 

韓国マーケティング InFluKのサービスページはこちら:https://influk.bwell.jp/


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