- はじめに|「日本側データの解説」で止まらない、韓国インバウンドの実践ガイド
- 韓国インバウンド市場の最新データ(2025年確報・2026年速報)
- 訪日韓国人の4つの特徴とリピーター構造
- 【現地データ】訪日韓国人のリアルな情報収集・予約行動
- 2026年の最新トレンド|地方分散・目的特化・再訪設計
- 【タイミング】韓国の連休カレンダーと仕掛けどき
- 集客チャネルの全体地図|認知・比較・予約・再訪の4系統
- 【チャネル別】韓国インバウンドプロモーションの実務
- 業種別の優先順位|まず取り組むべき施策
- 90日 集客立ち上げロードマップ
- 訪日韓国人集客で見るべきKPI
- 韓国インバウンドでよくある失敗パターン
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|韓国インバウンドは「韓国側の行動」から設計する
はじめに|「日本側データの解説」で止まらない、韓国インバウンドの実践ガイド
韓国インバウンドは、いまや日本の観光ビジネスで最も重要なテーマのひとつです。
2025年の訪日韓国人は約946万人と、3年連続で国・地域別のトップを記録しました。2026年に入っても勢いは続き、7月は単月で89万4,700人(前年同月比31.9%増)、8月は85万500人(同28.7%増)と、2か月連続でその月として過去最高を更新しています。8月は訪日外客数全体が前年比9.6%減となった中での伸びであり、日本のインバウンドにおける韓国の重みはむしろ増しています。
一方で、韓国インバウンドを扱う記事の多くは、日本側の統計を紹介するところで止まりがちです。
しかし集客の成果を左右するのは、「韓国の人がどこで情報を探し、どう比較し、いつ予約するのか」という韓国側の行動です。
本記事は、ソウルと釜山に現地法人を構える韓国特化マーケティングチーム「InFluK(インフラック)」が、日本側の最新公式データと韓国国内で公開されている一次データの両方をもとに、韓国インバウンドの全体像と具体的な集客戦略を1本にまとめたものです。
市場規模の確認から、旅行者のリアルな行動、2026年の仕掛けどき、チャネル別の実務、業種別の優先順位、90日ロードマップまでを一気通貫で解説します。
なお、以前は「訪日韓国人の集客戦略ガイド」「訪日韓国人を集客する5つの実践戦略」「訪日韓国人集客の完全ガイド」と複数の記事に分かれていた内容を、本記事に統合しました。インバウンドを含む韓国マーケティング全体の戦略は韓国マーケティング戦略ガイドで扱っています。
韓国インバウンド市場の最新データ(2025年確報・2026年速報)
まず、最新の公式データで市場の地盤を確認します。
2025年の訪日韓国人数は945万9,600人で、前年比7.3%増となり、過去最高を更新しました。
同年の訪日外客数全体は4,268万3,600人と初めて4,000万人を突破しており、韓国はその中で最大規模の市場です。
消費額の面でも存在感が増しています。観光庁「インバウンド消費動向調査」の2025年暦年確報によると、訪日外国人旅行消費額は9兆4,549億円に達しました。国籍・地域別では、中国、台湾、米国に次いで、韓国は9,906億円(構成比10.5%)で第4位です。多くの記事が速報値の9,864億円を引用していますが、確報では9,906億円へ上方修正されています。本記事では確報値を採用しています。
2026年に入ってからの動きも押さえておきます。

2026年8月の数字は、韓国市場の位置づけを考えるうえで見逃せません。中国からの訪日客が政府の渡航注意喚起の影響で大きく減り、訪日客全体が前年割れとなった月に、韓国は3割近い伸びを続けました。全体が落ち込む局面でも韓国だけは伸びる、という構造は、集客の軸足をどこに置くかの判断材料になります。
2026年7月の伸び率が3割を超えた背景の一つに、韓国側の祝日復活があります。「韓国の休みが増えると訪日が増える」という連動は本記事の後半で扱う「仕掛けどき」の設計に直結します。
市場規模をまとめると、次のとおりです。
- 訪日韓国人数:約946万人(2025年、前年比+7.3%、国・地域別トップ)
- 訪日韓国人消費額:9,906億円(2025年確報、構成比10.5%、第4位)
- 2026年は1月に単月110万人超、7月に前年比+31.9%、8月に同+28.7%と、伸びが加速
数だけでなく消費規模も着実に伸びている市場である、という点が出発点になります。
訪日韓国人の4つの特徴とリピーター構造
韓国インバウンド攻略の前提として、訪日韓国人の基本的な特徴を押さえます。
観光庁や各種調査から、次の4点が共通して指摘されています。
特徴1:リピーター率が8割を超える
観光庁のインバウンド消費動向調査(2025年)によると、訪日韓国人のうち2回以上日本を訪れている人の割合は8割を超え、4回目以上が5割を超え、10回目以上も約2割を占めます。「初めての日本」よりも「何度目かの日本」を前提にした設計が必要な市場です。
東京・大阪・福岡のような定番都市をすでに経験した旅行者は、次の旅行で「前回とは違う体験」「韓国語ではまだ情報が少ない場所」「日本人が実際に通う店」を探します。2回目、3回目、10回目の訪日でも選ばれる理由を、韓国語で具体的に提示する必要があります。
リピーターの行動段階と獲得策は韓国人観光客のリピーターを獲得する完全ガイドで詳しく扱っています。
特徴2:短期・少人数・個人手配が中心
韓国から日本へは、ソウル・釜山・大邱などの主要都市から東京・大阪・福岡・札幌・沖縄へ2〜3時間で移動できます。この距離の近さとLCCの普及により、週末や連休を使った2泊3日前後の短期旅行が主流です。
韓国人にとって日本は「週末+有給1日」でも行ける旅行先で、団体ツアーよりも個人で航空券・宿泊・体験を手配するFIT(個人手配旅行)が中心となっています。
特徴3:若年層・MZ世代の存在感
訪日韓国人は20〜30代を中心とした若年層の比率が高いとされる市場です。この層はSNSや動画で旅行先を見つけ、検索や口コミで比較し、オンラインで予約まで進む、デジタル前提の意思決定を行う傾向があります。
特徴4:消費単価は低めだが、頻度でカバー
観光庁の2025年確報によると、韓国人旅行者の1人あたり旅行支出は約10万5,000円で、台湾(約18万4,000円)や欧米豪と比べて低い水準にあります。1回あたりの単価は高くありませんが、訪問頻度の高さとリピーター率の高さで継続的な売上につながりやすい市場です。
「単価は低いが頻度が高い」という構造は、1回限りの集客ではなく、再訪を前提にした関係づくりが有効であることを示しています。
消費の内訳と購買品目の詳細は、訪日韓国人の消費トレンド完全解説をあわせてご覧ください。
【現地データ】訪日韓国人のリアルな情報収集・予約行動
ここからが、日本側の統計だけでは見えにくい部分です。
韓国国内で公開されている調査をもとに、訪日韓国人が「実際にどう動くか」を整理します。
韓国のリサーチ会社オープンサーベイの「海外旅行トレンドリポート2025」(全国の満20〜69歳の男女2,000人を対象に2025年2月に調査)によると、海外旅行先の人気は日本が43.8%で最も高く、東南アジアの39.8%を上回っています。日本は韓国人にとって最有力の旅行先です。
注目すべきは、情報収集と予約の経路です。同リポートでは、旅行準備で最もよく使われる情報探索チャネルはNAVERでした。アクティビティ探索でもNAVERが最も多く利用され、宿泊先探索ではアゴダに次ぐ2位となっています。YouTubeは全年代で安定して使われ、20〜30代ではInstagramや旅行予約アプリの利用率も高い傾向があります。
つまり韓国人旅行者の典型的な行動導線は、次のように整理できます。

同リポートでは、旅行者の66%が旅行経験をどこかに記録しており、20〜30代はInstagram、30代女性はブログ、60代はカカオストーリーを多く利用すると報告されています。帰国後に投稿された口コミが、次に訪日を検討する人の検索結果に蓄積されていく、という循環が生まれています。
決済行動にも変化があります。チャージ式・プリペイドカード(トラベルウォレットやトラベルログなど)の利用率が2023年比で大きく増え、20〜40代では約半数が使用しています。受け入れ側としては、こうした決済手段への対応も検討の余地があります。
この導線で最も重要なのは、「SNSで見つけた後に、NAVERで検索したときに信頼できる韓国語の情報が存在しているか」という点です。SNSで興味を持っても、NAVER上で行き方や予約方法が見つからなければ、検討から外れてしまいます。InstagramやYouTubeの投稿では、韓国語の施設名・地域名・検索されたいキーワードをNAVER側の表記と統一しておくことが、意外に見落とされている実務です。
Google中心の発想で日本語・英語の情報だけを整えても、韓国人旅行者の検索行動には届きません。ここが、韓国インバウンドの成否を分ける実務上の分岐点になります。
2026年の最新トレンド|地方分散・目的特化・再訪設計
リピーター中心の市場であるため、トレンドは「定番から、より個別化した目的へ」と動いています。2026年に向けて押さえるべき変化は3つです。
トレンド1:定番都市から地方都市への分散
韓国人旅行者の訪日先は、依然として大阪・福岡・東京が中心です。韓国の旅行プラットフォーム「トリプル」の集計では、2回以上訪問した「N次旅行先」は大阪が18.6%、福岡が16.6%、東京が15.2%で、この3都市だけでN次旅行先の50.4%を占めていました(2017年4月〜2024年9月の集計)。
一方で、地方都市への関心も高まっています。アウンコンサルティングの調査(2026年)では、韓国からの日本旅行関連の検索で「沖縄旅行」が突出して多いという結果も出ています。定番都市を入口にしつつ、地方の「その地域に行く理由」を韓国語で発信することが、新たな機会につながります。
トレンド2:「目的特化型」の旅行の定着
週末を使った短期旅行に加えて、アニメ・ドラマの聖地巡礼、ゴルフ、登山、温泉、グルメといった「目的特化型」の旅行が定着しています。単なる観光地紹介よりも、「何を体験できるか」を具体的に示すコンテンツが響きやすくなっています。
ソウル側で見ていると、20〜30代を中心に、SNSで見つけたスポットを保存し、NAVERで詳細を確認して、短い日程に組み込む動きが目立ちます。事業者側は「観光地です」「人気店です」と伝えるのではなく、「何目的の旅行者に向いているのか」を明確にする必要があります。
トレンド3:リピーターを前提にした再訪設計
訪日経験者が大半を占めるため、「初めて来る人」だけを想定した発信では刺さりません。リピーター限定特典、季節ごとのキャンペーン、2回目以降に楽しめる商品設計など、再訪を促す仕掛けが売上の安定につながります。
【タイミング】韓国の連休カレンダーと仕掛けどき
韓国インバウンドのプロモーションは、「何を出すか」と同じくらい「いつ出すか」が重要です。
訪日需要は韓国の連休に強く連動するためです。2026年7月の訪日韓国人が前年比3割増になった要因の一つが、公休日に復帰した制憲節の3連休だったことは前述のとおりです。
現地法人での支援経験上、韓国人旅行者は旅行計画を出発の1〜2か月前から始める傾向があります。そのため、各連休の2か月前から認知・比較段階の施策を集中させ、直前期に予約を後押しする設計が効果的です。たとえば9月下旬の秋夕を狙うなら7月から、12月の冬休みを狙うなら10月から動き始める、という逆算が基本になります。
2026〜2027年の具体的な連休日程と業務への影響は韓国の祝日・連休カレンダー【2026-2027年】にまとめています。秋夕商戦の逆算スケジュールは韓国・秋夕(チュソク)商戦マーケティング完全ガイド、年末商戦は韓国の年末商戦 完全ガイドで扱っています。
集客チャネルの全体地図|認知・比較・予約・再訪の4系統
訪日韓国人向けの集客チャネルは、旅行者の意思決定段階に沿って4系統に分けて考えると整理しやすくなります。

認知の段階で重要なのは、予約に直結させようとしすぎないことです。
まずは「次の日本旅行で候補に入る」ことを目的に、ビジュアルとストーリーを設計します。比較検討の段階では、SNSで興味を持った旅行者がNAVERで検索したときに、実際に行った人の体験談、行き方、営業時間、混雑状況、予約方法、支払い方法が見つかる状態を作ります。予約の段階では、どのチャネルで見つけても最終的に迷わず予約・購入できることが重要です。そして訪日後は、リピーター比率の高さを活かして「次回訪日時に思い出してもらう」仕組みを用意します。
チャネルは単体で使うのではなく、「発見はInstagram/YouTube、検索はNAVER、予約はOTA、再訪はKakaoTalk」というように、旅行者の意思決定段階に沿って組み合わせることが成果につながります。
【チャネル別】韓国インバウンドプロモーションの実務
前述の4系統に沿って、主要チャネルごとの実務を整理します。
NAVERブログ・カフェ|検索段階の主戦場
韓国では検索の中心がNAVERです。韓国人旅行者は訪日前に「地域名+맛집(おいしい店)」「地域名+가볼만한곳(行くべき場所)」といったキーワードで検索します。NAVERブログ(個人の体験レビュー)とNAVERカフェ(テーマ別コミュニティ)に、信頼できる韓国語の体験情報を蓄積していくことが、検索段階での最重要施策です。
企業の公式説明よりも、写真付きのブログレビューや、具体的な移動方法・注文方法・混雑状況・支払い方法が書かれた体験記事のほうが信頼されます。韓国人ブロガーやKOLを招待する際は、「施設を紹介してください」と依頼するだけでは不十分です。次の情報が自然に入るよう設計すると、検索経由の流入につながりやすくなります。
- 最寄り駅・空港・主要観光地からの行き方
- 韓国語対応の有無と予約方法
- 支払い方法(カード・QR・現金)
- 韓国人が迷いやすい注意点
- 写真を撮りたくなる場所
- 実際におすすめできるメニュー・商品・時間帯
現地法人の目線で見ている限り、成果が出やすいNAVERブログ投稿は「宣伝感が強い紹介文」ではなく、「友人に行き方を教えるような実用的な体験談」です。タイトルに地域名・施設ジャンル・旅行目的が自然に入っている記事は、検索される期間が長くなりやすい傾向があります。
NAVER内の3プラットフォームの運用設計はNAVER SEOの始め方|知識iN・ブログ・カフェでエコシステムを攻略で扱っています。
NAVERプレイス(地図)|「登録できる」と思い込まないこと
ここは多くの日本の事業者が誤解しているポイントです。NAVERの店舗管理ツール(スマートプレイス)は韓国の事業者登録証が前提の仕組みで、日本国内の店舗がGoogleビジネスプロフィールのような感覚で自ら登録することは、実務上できません。
では、なぜNAVERマップに日本の飲食店の情報が表示されているのか。2025年8月にNAVERが食べログと公式提携し、2026年4月時点で日本の飲食店約70万件の情報を搭載しているためです。つまり日本の飲食店にとってのNAVER地図対策は、NAVERの中ではなく食べログの店舗情報(写真・メニュー・営業時間・予約対応)を整備することにあります。宿泊・小売・観光施設については店舗側から情報を届ける確立された経路が確認できておらず、ブログ・UGC面で需要を作るのが現実解です。
この仕組みと2026年の星評価復活などの最新変更は、
NAVERプレイスに日本の店舗は登録できる?訪日韓国人集客の正しい入口と実務で詳しく解説しています。
「NAVERプレイス登録代行」のような営業を受けた場合は、何をどう登録するのかを具体的に確認してください。
Instagram・YouTube Shorts・TikTok|発見段階の入口
「行ってみたい」という動機づけは、視覚的なSNSが担います。特にグルメ、ショッピング、ホテル、温泉、地方観光は、検索よりも先にSNS上の写真や短尺動画で偶然見つかるケースが増えています。
Instagramのリールで大切なのは、きれいな映像よりも「韓国人が保存したくなる情報」です。飲食店なら「韓国人に人気の注文組み合わせ」、ホテルなら「駅から迷わない行き方」、小売店なら「韓国で話題の商品が買える売り場」、観光地なら「人が少ない撮影時間」といった、旅行計画に使える具体性がある投稿のほうが、保存・共有・来店につながります。
投稿には韓国語のハッシュタグとロケーションタグを必ず整えます。#일본여행(日本旅行)、#도쿄여행、#오사카여행、#후쿠오카여행、#일본맛집(日本グルメ)、#일본온천(日本温泉)といった基本タグは旅行検討層に届きやすい一方、タグを大量に並べるだけでは効果は限定的です。本文には、韓国人が知りたい「場所・価格・行き方・予約方法・おすすめポイント」を自然な韓国語で入れることが重要です。
韓国人は「シェア前提」で旅程を組む傾向があります。フォトスポットの設計、「やって・食べて・撮る」が一連になる体験設計、日本らしさと最新トレンドの掛け合わせ(聖地巡礼、季節限定スイーツ、地方のレトロ商店街など)は、UGCの自然発生を促す仕掛けとして有効です。
各プラットフォームの利用データと企業運用の詳細は、韓国Instagramマーケティング完全ガイド、韓国YouTubeマーケティング完全ガイド、韓国TikTokマーケティング完全ガイドをご覧ください。
YouTube・Vlog|「行く理由」を深く伝える確認メディア
YouTubeは、旅行先を最終決定する前の確認メディアとして使われます。Instagramで見つけた場所について、実際の雰囲気、移動のしやすさ、混雑状況、スタッフ対応、食事内容を動画で確認する流れです。
ホテル・観光地・体験施設・地方DMOでは、韓国人Vloggerとの相性が高い施策です。短尺SNSでは伝えきれない滞在体験や地域の空気感を、10〜20分程度の動画で見せられます。特に地方観光では「なぜその地域まで行く価値があるのか」を移動時間や周辺スポットも含めて説明できるため、地方誘客と相性の良いチャネルです。
既に日本語の施設紹介動画がある場合は、韓国語字幕を追加するだけでも改善の余地があります。ただし機械翻訳のままでは不自然になりやすいため、韓国語ネイティブの確認を入れることをおすすめします。
KakaoTalk公式チャンネル|再訪・関係維持
韓国でほぼすべての人が使うメッセンジャー「KakaoTalk」の公式チャンネルは、新規認知のためというより、来訪後の関係維持・再訪促進・キャンペーン告知に向いています。
公式チャンネルを作るだけでは成果は出ません。店頭POPやチェックイン時の案内で「次回使える韓国人限定クーポン」「韓国語で新商品・イベント情報を配信」「連休前におすすめプランを案内」と、登録理由を明確に伝える導線が必要です。運用では、全員に同じ内容を何度も送る一斉配信を避けます。韓国人旅行者は情報感度が高い一方、不要な通知には厳しく、頻度や内容が合わないとブロックされやすいためです。宿泊・グルメ・ショッピング・地方旅行など関心別にタグを分け、韓国の連休前に合わせて配信するのが理想です。
日本ではLINEが一般的ですが、韓国人旅行者への継続接点としてはKakaoTalkのほうが自然です。
開設手順と費用はカカオトークを企業が使うには?韓国版LINE公式アカウントの仕組み・費用・開設手順で解説しています。
韓国OTA・旅行プラットフォーム|予約段階の接点
ホテルや体験商品では、韓国OTAでの見え方が予約数に直結します。Yanolja、Interpark、Hanatour、MyRealTrip、Klook、Trip.comなど、韓国人旅行者が使う予約プラットフォームでは、韓国語タイトル、写真の順番、プラン名、レビュー、料金表示、キャンセル条件、朝食や送迎の有無が比較されます。
OTAでは掲載するだけでは成果は出ません。検索結果で選ばれる写真、韓国語で伝わるプラン名、レビュー返信、限定プランの設計まで含めて運用する必要があります。最初から多くのチャネルに広げると運用が追いつかないため、優先度の高い2〜3チャネルから始め、反応を見ながら拡張するのが現実的です。
NAVER広告・Kakao広告|検索意図が明確な層への接触と再接触
NAVER広告は、すでに目的が明確な旅行者に接触しやすいチャネルです。いきなり広範囲に出稿するより、「大阪 家族旅行 ホテル」「福岡 温泉 ホテル」「東京 もつ鍋 おすすめ」のように、地域名・ジャンル・利用シーンを組み合わせて絞るほうが効果を検証しやすくなります。日本のGoogle広告と同じ感覚で運用すると成果が出にくいため、韓国語キーワードとNAVER上の検索結果構造、ブログ・地図との連動を前提に設計します。
Kakao広告は、KakaoTalk公式チャンネルと連携して、過去来訪者や友だち追加済みユーザーに季節キャンペーンや再訪特典を届ける「再接触」に向いています。韓国の連休前や航空券需要が動く時期に合わせて配信すると、次回訪日時の候補に入りやすくなります。
KOL・KOC・ファムトリップ|信頼性のある口コミ形成
韓国人旅行者の購買決定において、インフルエンサーの推薦は広告以上の影響力を持ちます。ただし、フォロワー数の大きさだけで判断しないことが大切です。旅行系、グルメ系、美容系、地方旅行系など、自社の業種と投稿テーマが合っているかを確認します。大規模な認知獲得にはKOL、来店・予約の促進にはフォロワー数千〜数万人規模のKOCやマイクロインフルエンサー、というように目的別に使い分けるのが現実的です。
韓国のメディアやKOLを日本に招くファムトリップは、信頼性のある認知形成に役立ちます。成功させるポイントは次の4つです。
- 体験設計:単なる施設紹介ではなく、参加者が「自分ごと」として楽しめる体験を用意する
- 撮影環境:SNS映えするコンテンツが撮りやすい導線と韓国語資料を事前に準備する
- 投稿ガイドライン:ハッシュタグ・タグ付け・投稿時期の最低限のルールは共有しつつ、表現の自由度は確保する
- 二次利用の契約:制作されたコンテンツを自社の広告やNAVERブログで二次利用できるよう、事前に取り決めておく
投稿後は、リーチ数だけでなく、保存数、コメント内容、プロフィール遷移、NAVER検索の増加、予約・問い合わせへの影響を見ます。
費用の考え方は韓国インフルエンサー費用の決まり方、
韓国側の広告表記ルールは韓国のステマ規制完全ガイドをあわせて確認してください。
韓国では「#PR」表記が不適切とされるなど、日本の常識が通用しない点があります。
韓国国内のオフライン施策|オンラインと連動させる
訪日韓国人集客は、すべてをオンラインで完結させる必要はありません。韓国国内の旅行博、ポップアップ、商業施設、大学周辺、航空会社やOTAとの共同キャンペーンといったオフライン接点も活用できます。ただしオフラインだけで完結させず、SNS投稿・NAVER検索・KakaoTalk登録・予約ページへの遷移まで設計することが重要です。
業種別の優先順位|まず取り組むべき施策
同じ韓国インバウンドでも、業種によって優先すべき施策は異なります。すべてのチャネルを同時に強化しようとすると、予算も運用リソースも分散します。

地域DMOや温泉地では、単独施設ではなく地域全体の回遊設計が必要です。韓国人旅行者は短期滞在が多いため、移動時間に対する納得感が重要になります。実際の支援現場でも、単体施設の魅力だけを発信するより、周辺観光・食事・買い物を含めた「韓国人向け1日導線」を作った案件のほうが、問い合わせや予約につながりやすい傾向があります。
釜山発の旅行者には九州方面との相性があります。福岡、別府、長崎、熊本、鹿児島などは、釜山在住のKOLやVloggerと連携する場合に「週末に行ける九州」「空港から近い温泉」「韓国語で迷わない1日コース」のような具体的な切り口が効果的です。
90日 集客立ち上げロードマップ
韓国インバウンドの施策は、90日で完成させるのではなく、90日で「回る仕組み」を作ることが目的です。
0〜30日目|基盤整備
- 韓国語での検索結果(NAVER)で自社・自地域がどう見えているかを確認する
- 競合のNAVERブログ・Instagram・OTA掲載を調査する
- 自社の韓国語LP・FAQ・予約導線を確認する
- 飲食店は食べログの店舗情報を最新化する(NAVER地図への反映経路)
- KakaoTalk公式チャンネルを開設する
- OTA掲載内容を棚卸しする
この段階では、いきなり広告費を大きく使うより、韓国人旅行者が見つけたときに不安なく検討できる状態を作ることが重要です。
31〜60日目|発信とテスト開始
- NAVERブログ記事の制作・レビュー獲得を始める
- Instagram投稿・リールを運用する
- KOL候補をリストアップする
- 韓国OTAの写真・プラン名・説明文を改善する
- NAVER広告・Kakao広告を小額でテストする
- 予約・問い合わせ・クリックの計測環境を整える
この期間は大きな成果を狙うより、どの訴求が反応されるかを見極めます。
61〜90日目|改善とリテンション開始
- 反応の良いキーワード・投稿を伸ばす
- KOL施策を本契約・本実施へ進める
- 広告のCPAや予約率を改善する
- KakaoTalkで初回クーポンや再訪案内を配信する
- OTAレビュー返信を継続する
- 業種別に次の施策優先順位を決める
訪日韓国人集客で見るべきKPI
施策を始めた後は、媒体ごとに見るべき指標を分けます。重要なのは、媒体ごとの数値をバラバラに見るのではなく、「SNS起点 → NAVERで検討 → YouTubeで確認 → 予約 → KakaoTalkで再訪」という一連の流れで評価することです。

成果が出るまでの時間軸も媒体で異なります。韓国語ページやOTA掲載の整備は比較的早く改善が見えますが、NAVERブログ・Instagram・KakaoTalkは蓄積型の施策です。最低でも3〜6か月単位で、投稿・レビュー・友だち追加・問い合わせの変化を追うことをおすすめします。
韓国インバウンドでよくある失敗パターン
現場で見られがちな失敗を整理します。
| 失敗パターン | 何が起きるか | 回避策 |
|---|---|---|
| Google基準で NAVER対策を考える | 自社サイトのSEOだけ強化しても、NAVER上に情報が無く検討導線に入れない | 自社サイト・NAVERブログ・SNSを「同じ旅行者が行き来する導線」として設計する |
| NAVERプレイスに 登録できると思い込む | 登録代行に費用を払っても、日本の店舗はスマートプレイスに登録できない | 飲食店は食べログ整備、他業種はブログ・UGCで需要を作る |
| 日本語サイトの機械翻訳で済ませる | 韓国語として不自然な情報は、NAVER検索でもSNSでも信頼されない | 主要LP・予約ページ・FAQ・広告文・Kakao配信文は韓国語ネイティブが確認する |
| LINE公式アカウントで代用する | 韓国人旅行者の日常チャネルではないため、再訪促進が効かない | KakaoTalk公式チャンネルを用意し、旅行中に登録する理由を作る |
| 「初めての訪日客」だけを想定する | リピーターが大半の市場で、定番紹介では差別化できない | 2回目以降に楽しめる体験・特典を設計する |
| 連休のタイミングを逃す | 直前に発信しても、計画は1〜2か月前に固まっている | 連休の2か月前から認知・比較施策を集中させる |
| 単発のインフルエンサー起用で終える | 認知だけ増えて予約・再訪につながらない | 認知から予約・再訪まで複数接点で設計する |
よくある質問(FAQ)
韓国インバウンドで最初に取り組むべきチャネルはどこですか?
多くの業種で、まずNAVER上に韓国語の信頼できる情報が存在する状態を作ることが起点になります。韓国人旅行者の情報探索はNAVERが中心のためです。ホテル・観光施設はOTA掲載と韓国語予約導線、飲食店はInstagramと食べログ情報、小売は韓国語POP・決済・SNSでの話題化を優先すると始めやすくなります。
日本の店舗はNAVERマップ(NAVERプレイス)に登録できますか?
日本国内の事業者が自らスマートプレイスに登録する経路は、実務上ありません。韓国の事業者登録証が前提の仕組みだからです。飲食店は食べログとの公式連携で自動的に掲載されるため、食べログ側の情報整備が実質的な登録・更新手段になります。
韓国人旅行者の消費単価は低いと聞きますが、狙う価値はありますか?
1回あたりの旅行支出は他国より低めですが、訪問頻度とリピーター率が高いことが特徴です。リピーターは2回目以降にニーズが具体化するため、再訪を前提とした商品設計や特典で、継続的な売上につなげやすい市場です。
韓国語サイトは必須ですか?
ホテル、旅館、観光施設、体験予約型サービスでは必須に近いと考えられます。最低でも、主要LP、料金、予約方法、アクセス、FAQ、キャンセル規定は韓国語で整備することをおすすめします。翻訳機能で最低限の理解は可能ですが、予約率や問い合わせ率には韓国語対応の有無が影響します。
2026年に特に狙うべき時期はいつですか?
9月下旬の秋夕、10月初旬の連休、12月の冬休み、そして2027年2月上旬の旧正月(ソルラル)が訪日需要の山場です。韓国では旅行計画を1〜2か月前に始める傾向があるため、各連休の約2か月前から認知・比較段階の施策を集中させるのが効果的です。
成果が出るまでどのくらいかかりますか?
広告やOTA改善は比較的早く反応を確認できます。一方、NAVERブログやInstagramなどのオウンド資産は3〜6か月単位で蓄積していく施策です。KakaoTalkを使ったリテンションは、半年〜1年単位で登録者数、開封率、再来店、再予約を見ながら改善する必要があります。
自社運用と代理店活用はどちらが良いですか?
NAVER広告や韓国語広告文の改善は、韓国市場に詳しい代理店や現地法人の支援を受けるほうが安全です。一方、日々の写真素材、現場情報、季節キャンペーンは自社で継続的に出せる体制があると強くなります。戦略・韓国語監修・広告運用を外部と組み、現場素材は自社で集める形が理想です。
まとめ|韓国インバウンドは「韓国側の行動」から設計する
韓国インバウンドの要点を整理します。
- 韓国は訪日客数で国・地域別トップ(2025年約946万人)、2026年7月は前年比+31.9%、8月は+28.7%と伸びが加速しています
- リピーター率が8割を超え、短期・少人数・個人手配が中心という構造があります
- 情報収集はNAVERが中心で、発見はSNS、予約はOTA、再訪はKakaoTalkという導線で動いています
- 日本の店舗はNAVERプレイスに自ら登録できません。飲食店の入口は食べログの整備です
- 業種ごとに優先チャネルを絞り、90日で「回る仕組み」を作ることが定着への近道です
- 韓国の連休に合わせて2か月前から逆算し、再訪まで設計することが成果につながります
韓国インバウンドで成果を出す鍵は、「日本側の統計を読む」ことではなく、「韓国の人がどこで情報を探し、どう動くか」から逆算して施策を組み立てることにあります。
韓国インバウンドの集客、NAVER対策、KakaoTalk公式チャンネル運用、インフルエンサー施策でお困りでしたら、ソウル・釜山に現地法人を構える韓国特化マーケティング「InFluK(インフラック)」にご相談ください。韓国現地のトレンド理解と日本企業の支援実績をもとに、貴社の業種・地域・目的に合わせた訪日韓国人向けの集客導線をご提案します。
韓国マーケティング InFluKのサービスページはこちら:https://influk.bwell.jp/

参照
- 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年8月推計値)」 https://www.jnto.go.jp/news/press/20260916_montly.html (2026年9月16日)
- トラベルボイス「【図解】訪日外国人数、2026年8月は310万人、マイナス幅は1割に拡大、一方で14市場では過去最多」 https://www.travelvoice.jp/20260916-160529 (2026年9月16日)
- 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年7月推計値)」 https://www.jnto.go.jp/news/press/20260819_montly.html (2026年8月19日)
- 訪日ラボ「【速報】7月の訪日外客数は344.2万人 台湾が過去最高の76万人に」 https://honichi.com/news/2026/08/19/inbound202607/ (2026年8月19日)
- 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2025年12月推計値)」 https://www.jnto.go.jp/news/press/20260121_monthly.html (2026年1月21日)
- 国土交通省観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年暦年(確報)」 https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001992584.pdf (2026年3月31日)
- 国土交通省観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年年次報告書」 https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002003329.pdf
- 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客統計」 https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/
- 오픈서베이「2025 해외여행 트렌드: 검색은 네이버, 결제는 충전카드, 기록은 SNS」 https://blog.opensurvey.co.kr/article/overseas-travel-2025-2/ (2025年5月)
- 오픈서베이「해외여행 트렌드 리포트 2025」 https://blog.opensurvey.co.kr/trendreport/overseas-travel-2025/
- 여행신문「한국인 여행객 재방문률 높은 상위 5개 여행지?」(トリプル提供データ) https://www.traveltimes.co.kr/news/articleView.html?idxno=410140 (2024年11月)
- 한국경제「2025 해외여행 결산, 한국인에게 인기있는 해외여행지는?」 https://www.hankyung.com/article/202512166494K (2025年12月)
- NAVER Corp. 보도자료「네이버 플레이스, ‘타베로그’와 손잡고 일본 맛집 검색∙예약 서비스 제공한다」 https://navercorp.com/media/pressReleasesDetail?seq=33149 (2025年8月1日)
- 전자신문「신주쿠·로마 맛집도 네이버로 찾는다…네이버 플레이스, 해외 장소 정보 확대」 https://www.etnews.com/20260417000059 (2026年4月17日)
- 韓国マーケティング戦略ガイド https://influk.bwell.jp/media/archives/565/korea-marketing
- NAVERプレイスに日本の店舗は登録できる?訪日韓国人集客の正しい入口と実務 https://influk.bwell.jp/media/archives/943/korea-marketing
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