【2026年版】韓国YouTubeマーケティング完全ガイド|利用データ・Shorts戦略・広告・企業事例まで

はじめに|韓国で「時間」を最も奪っているメディアはYouTube

韓国マーケティングでは、NAVER・カカオトーク・Instagramが語られることが多い一方、韓国人の生活時間を最も長く占めているメディアはYouTubeです。使用時間は全アプリ中で圧倒的な1位、月間利用者はスマートフォン利用者のほぼ全員に迫り、若い世代は「検索」までYouTubeで行うようになっています。

にもかかわらず、日本語で読める韓国市場向けのYouTube活用情報は、総論記事の一節か数年前のデータに留まっているのが実情です。

 

本記事は、ソウル・釜山に現地法人を構える韓国特化マーケティングチーム「InFluK(インフラック)」が、WiseApp・Retailやオープンサーベイなど現地調査会社の最新データをもとに、韓国のYouTube利用実態、検索エンジンとしての攻略法、Shorts戦略、広告・クリエイター協業の実務までを解説するものです。

韓国市場攻略の全体像(NAVER・Kakao・広告・インフルエンサーの使い分け)は

【2026年版】韓国マーケティング完全ガイド」で解説しています。

 

データで見る韓国のYouTube|「国民メディア」を数字で確認する

まず、現地調査の数字で規模感を押さえます。

特筆すべきは利用者数の逆転劇です。モバイルインデックスの調査では、2023年12月にYouTubeのMAUが初めてカカオトークを上回り、2024年11月時点ではYouTube4,635万人対カカオトーク4,539万人と差を広げたと報じられました(調査会社により順位が異なる点は留意が必要です)。「国民メッセンジャー」と並ぶ、あるいは超える「国民メディア」——それが韓国のYouTubeの現在地です。

日本との比較で言えば、韓国のYouTube視聴は生活への浸透度が一段深く、テレビの代替というより「検索・学習・買い物・娯楽が同居する生活インフラ」として機能しています。

 

韓国のYouTubeは「第2の検索エンジン」である

韓国YouTube攻略で最も重要な視点は、YouTubeを動画メディアではなく検索エンジンとして扱うことです。

オープンサーベイの「検索トレンドレポート」(15〜59歳1,000名調査)によると、韓国人が検索に使うプラットフォームはNAVERが87.0%で1位である一方、YouTubeが79.9%でGoogle(65.8%)を上回る2位に入っています。以下、Instagram38.6%、ナムウィキ/ウィキペディア34.0%、カカオトーク#検索33.9%と続き、10〜20代ではYouTubeとInstagramを中心に検索する傾向が明確だと報告されています。

 

つまり韓国の消費者は、商品の使い方・比較・レビュー・ハウツーを「NAVERで読む」のと並行して「YouTubeで観て」判断しています。実務への示唆は次の通りです。

  • キーワード起点でコンテンツを企画する:韓国語の検索語(「製品名+리뷰(レビュー)」「〜하는 법(〜のやり方)」「비교(比較)」など)を先に洗い出し、その受け皿となる動画を作ります
  • タイトル・説明文・字幕を韓国語で最適化する:YouTube内検索とGoogle検索の両方での露出に直結します。自動翻訳ではなくネイティブによるキーワード設計が必要です
  • NAVER対策とセットで設計する:同じ検索意図に対して、NAVERブログ記事とYouTube動画の両方を用意すると、テキスト派・動画派の双方を取りこぼしません

NAVER側の検索対策の全体像は 「【2026年版】韓国SEO完全ガイド」で解説しています。

 

Shorts(ショート動画)が発見の主戦場になった

2026年の韓国YouTubeを語るうえで、Shortsは避けて通れません。

オープンサーベイの調査では、韓国のユーザーはYouTube Shortsを1日平均4.3回視聴し、1回あたり平均12.8本を連続で見ると報告されています。グローバルでもShortsの1日あたり視聴回数は2,000億回を突破したと報じられており、「発見はShorts、深掘りは長尺」という視聴構造が定着しました。

韓国ではShorts発のヒットが文化現象になっています。Google公式の2025年振り返りでも、新人歌手の楽曲がShorts1本のバイラルからカバー動画の連鎖を生みチャートを逆走行したケースや、映画の楽曲を起点にファンが自発的にダンスカバー・二次創作を量産して大ヒットを支えたケースが紹介されており、Shorts→UGC連鎖→メインコンテンツへの還流という拡散構造が確認できます。

企業活用も本格化しています。現地で紹介されている代表例を挙げると、コスメのLAKAやrom&nd(ロムアンド)は製品の実使用シーンを短く感覚的に編集したShortsで数十万再生を獲得し、ファッションECのMUSINSA(無神社)は新商品の着用レビューやストリートインタビュー型Shortsでトレンド拡散に活用。コンビニのGS25や配達の民族、マーケットカーリーは「直感的なモッパン」「一人暮らしレシピ」などの生活密着型Shortsで好感度を積み上げ、サムスン電子・LG電子・クックー(炊飯器)などの家電勢は特定機能を実演する「実使用動画」を多用していると報告されています。

制作のポイントはInstagramリールと共通する部分が多く、冒頭のフック・韓国語字幕・作り込みすぎない質感が基本です。

両プラットフォームに素材を展開する前提で企画すると、制作効率が大きく上がります。

リール・ショート動画の作り方とZ世代トレンドの詳細は

【2026年版】韓国Instagramマーケティング完全ガイド」で解説しています。

 

企業チャンネル運用の設計|長尺×Shorts×コミュニティの3点セット

韓国で成果を出している企業チャンネルは、コンテンツを役割分担させています。

 

Shorts=発見の入口

チャンネルを知らない層に届く唯一の経路と割り切り、週数本の高頻度で運用します。バズ狙いの単発ではなく、検索語やトレンドに紐づけた「型」を持つことが継続の鍵です。

 

長尺動画=信頼の構築と検索の受け皿:

「〜のやり方」「比較・レビュー」「ブランドストーリー」など、検索意図に応える10分前後のコンテンツが、購買検討層を捉えます。韓国は情報密度の高いレビュー文化が強く、誠実で具体的な内容が支持されやすいとされています。

 

コミュニティ機能とコメント欄=ファン化の装置

韓国のYouTube視聴者はコメント欄の反応をコンテンツの一部として楽しむ傾向が強く、企業側の「返信の上手さ」自体が話題になることもあります。コメント対応を含めた韓国語のコミュニティ運用体制が、チャンネルの温度を決めます。

 

なお、日本本社のチャンネルに韓国語字幕を付けるだけの運用は、検索最適化・アルゴリズム・文化文脈のすべてで不利になりやすいため、本格展開時は韓国向けチャンネルの分離をおすすめします。

 

YouTube広告とショッピング機能|「見せる」から「買わせる」へ

オーガニック運用を補完する広告・コマース機能も進化しています。

広告は、スキップ可能なインストリーム広告(TrueView)、6秒のバンパー広告、Shortsフィードに流れるShorts広告が基本の選択肢です。認知はバンパー・Shorts広告、検討促進は長尺インストリームと、目的別に使い分けます。オーガニックで反応の良かったShortsを広告素材に転用する運用は、Instagram同様に費用対効果が高いとされています。

注目すべきはYouTubeショッピング機能です。動画やShortsに商品をタグ付けし、視聴者がYouTube内から直接購入ページへ進める仕組みで、韓国の広告業界では「ショートフォームコマース時代の始まり」と位置づけられています。クリエイターが販売チャネルと広報チャネルを兼ねる構造が生まれており、ライブコマースとの連携も含め、動画から購買までの距離が急速に縮まっています。

動画・ライブ配信を購買転換につなげる設計は

韓国ライブコマース最前線|プラットフォーム別成功戦略ガイド」を参照してください。

 

クリエイター(ユーチューバー)協業の実務

韓国のYouTubeマーケティングで最も費用対効果を左右するのが、クリエイター協業の設計です。

韓国の視聴者は広告表記に敏感で、「내돈내산(ネドンネサン:自分のお金で自分が買った)」という言葉が定着しているほど、正直なレビューへの信頼と、隠れた広告への反発が強い市場です。過去には広告表記を巡る「裏広告(뒷광고)」騒動でトップクリエイターが謝罪に追い込まれた経緯もあり、広告である場合の明確な表記と、クリエイターの本音を尊重した企画設計が大前提になります。

起用の考え方は、登録者数よりも「自社の検索キーワード・カテゴリで視聴者を持っているか」です。数十万登録の総合系より、数万登録でもカテゴリ特化型のクリエイターのほうが、視聴者の購買関連度が高いケースは珍しくありません。

誇張のない「リアル」な発信者が支持される背景は 「リアルインフルエンサーとは」で解説しています。

起用コストの相場観と見積もりの考え方は 「韓国インフルエンサー費用の決まり方」を参照してください。

 

韓国YouTubeマーケティングでよくある失敗パターン

日本企業の支援で繰り返し目にする失敗を挙げます。

 

失敗1:日本向け動画に韓国語字幕を付けて終わり

検索語設計もサムネイルの文法も韓国仕様になっておらず、韓国のおすすめ・検索に載りません。

  

失敗2:長尺だけ、またはShortsだけの片翼運用

発見(Shorts)と検討(長尺)はセットで初めて機能します。

   

失敗3:検索意図を無視したブランドムービー中心の編成

「伝えたいこと」ではなく「検索されていること」から企画しないと、再生は広告費頼みになります。

  

失敗4:広告表記の軽視

韓国は「裏広告」への社会的感度が非常に高く、表記不備はブランド毀損に直結します。

 

失敗5:コメント欄の放置

韓国語での双方向運用ができない状態でのチャンネル開設は、むしろ不信感の入口になりえます。

 

FAQ|韓国YouTubeマーケティングのよくある質問

Q1. 日本のチャンネルと韓国向けチャンネルは分けるべきですか?

A. 本格展開なら分離を推奨します。言語・検索最適化・おすすめアルゴリズムの学習対象が異なるため、混在チャンネルはどちらの市場でも伸びにくくなる傾向があります。

 

Q2. まず何から始めるべきですか?

A. 自社カテゴリの韓国語検索キーワードで、YouTube内を実際に検索してみることです。競合や関連クリエイターの動画が何本出てくるか、自社が「不在」かどうかを確認するのが出発点です。

 

Q3. Shortsと長尺、どちらを優先すべきですか?

A. リソースが限られるなら、Shortsで接点を作りつつ、検索需要が確実にある「レビュー・使い方」系の長尺を月数本積み上げる構成が現実的です。

 

Q4. 韓国のYouTube広告費用はどのくらいですか?

A. 課金方式や入札状況で変動が大きいため一概には言えません。少額から出稿できるので、オーガニックで検証済みの素材を使い、小さくテストして拡大する運用をおすすめします。

 

Q5. B2B企業でもYouTubeは有効ですか?

A. 有効です。韓国のビジネスパーソンも情報収集にYouTubeを使っており、導入事例・技術解説・ウェビナー切り抜きなどは、NAVER検索と連動させることで商談前の信頼形成に寄与します。

 

まとめ|「検索×Shorts×クリエイター」で設計する韓国YouTube戦略

本記事のポイントを整理します。

  • 韓国のYouTubeはMAU4,678万人・使用時間全アプリ1位(月間1,136億分)の「国民メディア」で、スマートフォン利用者のほぼ全員に届きます
  • 検索プラットフォームとしての利用率は79.9%とGoogleを上回り、「第2の検索エンジン」としてのキーワード設計が攻略の核です
  • 発見の主戦場はShortsに移り、Shorts→UGC連鎖→長尺・購買へ還流する拡散構造が定着しました
  • 企業運用は「Shorts=発見、長尺=信頼、コメント=ファン化」の役割分担と、広告表記を徹底したクリエイター協業が成功条件です

とはいえ、韓国語でのキーワード設計、週数本のShorts制作、コメント対応を含むコミュニティ運用、クリエイターの選定・交渉を日本から同時に回すのは容易ではありません。トレンドの回転も速く、現地の肌感覚を持つ体制の有無が成果を分けます。

 

InFluKは、韓国ソウル・釜山に現地法人を構え、メンバーの3割が韓国人、半数が韓国語ネイティブレベルで対応できる韓国市場専門のマーケティング支援チームです。韓国向けYouTubeチャンネルの立ち上げ・運用、Shorts企画制作、クリエイターキャスティング、YouTube広告運用、NAVER・Instagramとの連携設計までワンストップでご支援できます。

「韓国向けの動画マーケティングを始めたいが体制がない」「チャンネルはあるが伸び悩んでいる」といったお悩みがあれば、ぜひ一度InFluKまでお気軽にご相談ください。貴社の商材・フェーズに合わせて、最適な韓国YouTube戦略をご提案いたします。

韓国マーケティング InFluKのサービスページはこちら:https://influk.bwell.jp/

※本記事に掲載した数値・機能・アルゴリズムの仕様は、各調査・発表時点の情報です。プラットフォームの仕様は頻繁に更新されるため、施策の検討にあたっては最新の公式情報をご確認ください。

 


 

参照