はじめに|韓国の「休み」を知らないと、ビジネスの段取りが狂う
韓国の取引先に連絡がつかない、物流が急に止まった、ECの配送が遅れた
——その原因の多くは、日本と大きく異なる韓国の祝日・連休です。
韓国にはお盆やゴールデンウィークがない代わりに、旧暦ベースで毎年日付が動く二大名節(ソルラル・チュソク)があり、さらに2026年には祝日制度そのものが改正され、休みが2日増えました。
本記事は、ソウル・釜山に現地法人を構える韓国特化マーケティングチーム「InFluK(インフラック)」が、韓国の法令(官公署の公休日に関する規定)と政府発表に基づき、2026年下半期〜2027年の祝日・連休カレンダーと、そのビジネスインパクトを整理したものです。日付はすべて公布済みの法令・公式暦情報に基づいていますが、韓国では政府が直前に臨時公休日を指定することがあるため、重要な計画の際は最新の政府発表もあわせてご確認ください。
【一覧】2026年下半期の祝日・連休カレンダー
まず、今年の残りの祝日です。振替休日(대체공휴일)を含めて整理します。

注目は10月です。開天節の3連休とハングルの日の3連休が1週間の中に並ぶため、間の平日(10月6〜8日)に年次休暇を使えば最大9連休を作れる構造になっています。韓国では近年、この種の「連休の谷埋め」による長期休暇取得が一般化しており、10月上旬は海外旅行——特に近距離の日本行き——の需要が跳ね上がる時期になると見込まれます。
また、秋夕連休(9月24〜27日)は日曜日を含まないため振替休日が付かず、前年(最長10連休)より大幅に短い実質4連休です。この違いが消費行動に与える影響は、秋夕商戦の記事で詳しく解説しています。
秋夕商戦の市場データ・贈答ルール・逆算スケジュールは
「【2026年版】韓国・秋夕(チュソク)商戦マーケティング完全ガイド」で解説しています。
【一覧】2027年の祝日・連休カレンダー(通年)
2027年は、祝日が週末と重なる年で、その分だけ振替休日が多く発生します。

2027年のポイントは2つです。
第一に、ソルラルは2月6日(土)〜9日(火)の4連休。名節ギフト商戦・帰省・海外旅行が集中する年始最大の山場です。
第二に、秋夕は9月14〜16日と平日のみの3日間ですが、直前の週末と年次休暇を組み合わせて9連休化する動きが想定され、旅行需要は日程以上に膨らむ可能性があります。
【2026年の重要変更】労働節と制憲節が「祝日」になった
日本ではほとんど報じられていませんが、韓国の祝日制度は2026年に大きく変わりました。
労働節(5月1日)の法定祝日化:
従来の「勤労者の日」は民間労働者のみの有給休日で、公務員や教員は出勤していました。2026年3月の国会での法改正により名称が「労働節」となったうえで法定公休日に指定され、職種を問わず全国民の休みになりました。
制憲節(7月17日)の18年ぶり復活:
韓国の5大国慶日のうち唯一祝日でなかった制憲節が、2026年1月の国会可決と4月28日の国務会議議決を経て、2008年以来18年ぶりに公休日へ復帰しました。2026年7月17日(金)が復活後最初の制憲節で、3連休となりました。
両日とも振替休日制度の適用対象です。韓国の振替休日は段階的に拡大されてきた制度で、2021年下半期から国慶日(三一節・光復節・開天節・ハングルの日)、2023年から宗教祝日(釈迦誕生日・クリスマス)、そして2026年から労働節・制憲節へと広がりました。**日本側の実務への影響は単純で、「韓国の休みが年2日増え、5月と7月に新しい連休の山ができた」**ということです。古いカレンダー情報のまま韓国側とスケジュールを組むと、この2日を営業日と誤認します。
韓国の祝日制度の基礎知識|日本との違い3点
① 二大名節は旧暦ベースで毎年動く
ソルラル(旧暦1月1日)とチュソク(旧暦8月15日)は、前後1日を含む3日間が祝日です。旧暦基準のため毎年日付が変わり(チュソクは9月中旬〜10月上旬の間を移動)、日本のカレンダー感覚で「毎年同じ時期」と思い込むと計画がずれます。
②振替休日のルール
対象の祝日が土日や他の祝日と重なると、直後の平日が振替休日になります。ただし適用条件は祝日によって異なり、ソルラル・チュソク連休は日曜日と重なった場合のみ、国慶日などは土日どちらでも振替が発生します。顕忠日(6月6日)と元日は対象外です。
③「臨時公休日」が直前に生まれることがある
韓国政府は内需活性化などを目的に、連休の谷間の平日を臨時公休日に指定することがあります。過去には発表が数週間前ということもあり、韓国側との重要日程は「祝日カレンダー+直前の政府発表」の二段構えで確認するのが安全です。
なお、日本にあって韓国にないものも押さえておきましょう。お盆休み・ゴールデンウィーク・シルバーウィークに相当する制度はなく、夏季休暇は7月末〜8月初旬に各社が自主的に取る形が一般的です。逆に日本の年末年始のような長い正月休みもなく、新正月の休みは元日前後のみで、家族行事の中心はあくまで旧正月(ソルラル)です。
ビジネス視点で見る「重要な休み」ベスト3
マーケティング・商流の観点で特に影響が大きい時期を3つに絞ります。
①ソルラル(旧正月)とチュソク(秋夕)=商戦と物流停止のダブルインパクト
二大名節は、年2回のギフト商戦のピークであると同時に、物流・通関・取引先業務が数日間止まる時期です。EC・輸出入に関わる企業は、連休の1〜2週間前から配送遅延を織り込んだリードタイム設計が必要になります。商戦としての攻め方は、予約販売が本番の1ヶ月前に始まる点が最大の注意点です。
②連休=訪日需要のピーク
韓国の連休は、そのまま日本のインバウンド商機です。3〜4連休は近距離の日本旅行に最適な長さで、2026年10月の「連休が2つ並ぶ週」や2027年2月のソルラル4連休は、訪日客の波が確実に来るタイミングとして日本国内の観光・小売・飲食業が今から準備できる日程です。
訪日韓国人を呼び込み、ファン化する具体策は 「訪日韓国人集客 完全ガイド」で解説しています。
訪日韓国人が「何にお金を使っているか」の最新動向は 「訪日韓国人消費トレンド」を参照してください。
③新設の5月・7月連休=新しい消費の山 2026年から生まれた労働節・制憲節の休みは、旅行・レジャー・外食の新たな需要期です。まだ「定番の過ごし方」が固まっていない分、キャンペーンやプロモーションで需要を先取りできる余地があります。
FAQ|韓国の祝日に関するよくある質問
Q1. 祝日には銀行や株式市場も休みですか?
A. 原則として官公庁・銀行窓口・韓国取引所(株式市場)は祝日休業です。取引や送金は祝日前営業日までに済ませる段取りが必要です。
Q2. 祝日でも韓国のECや飲食店は動いていますか?
A. 小売・飲食・ECの注文受付自体は動いていることが多い一方、名節連休は宅配・物流が大きく細ります。また名節当日は休業する個人商店・飲食店も少なくありません。
Q3. すべての会社が祝日に休むのですか?
A. 法制度上、常時労働者5人未満の事業場には公休日の有給適用が及ばないなどの例外があり、実際の休業は企業ごとの就業規則によります。取引先の稼働は個別確認が確実です。
Q4. 2026年のチュソク、2027年のソルラルはいつですか?
A. 2026年のチュソク連休は9月24日(木)〜26日(土)で当日は9月25日(金)、実質の休みは27日(日)まで。2027年のソルラル連休は2月6日(土)〜9日(火)で当日は2月7日(日)です。
Q5. 臨時公休日はどうやって知ればいいですか?
A. 韓国政府(人事革新処)の発表と国務会議の議決で決まり、現地報道で大きく扱われます。名節連休の前後に平日の「谷」がある年は指定の可能性が話題になるため、その時期のニュースに注意しておくと察知できます。
まとめ|韓国の祝日は「リスク管理」と「商機」の両方の情報
本記事のポイントを整理します。
- 韓国の休みの中心は旧暦ベースの二大名節(ソルラル・チュソク)で、毎年日付が動きます。2026年チュソクは9月25日、2027年ソルラルは2月7日が当日です
- 2026年の制度改正で労働節(5/1)と制憲節(7/17)が新たに祝日となり、振替休日の対象も拡大しました。古いカレンダー情報での日程調整は要注意です
- ビジネス上は、名節=商戦と物流停止、連休=訪日需要のピーク、という2つの顔で捉えると計画に落とし込めます
- 政府が直前に臨時公休日を指定する制度があるため、重要日程は最新の政府発表との二段構えで確認してください
韓国の祝日カレンダーは、単なる日程情報ではなく「いつ売るか・いつ止まるか・いつ日本に来るか」を教えてくれるマーケティング情報です。名節商戦への参戦、連休に合わせた訪日客の受け入れ、韓国向けキャンペーンの時期設計など、カレンダーを商機に変える打ち手はそれぞれの専門記事で解説しています。
InFluKは、韓国ソウル・釜山に現地法人を構え、メンバーの3割が韓国人、半数が韓国語ネイティブレベルで対応できる韓国市場専門のマーケティング支援チームです。韓国の商戦カレンダーに合わせたプロモーション設計から、訪日韓国人向けの集客施策まで、現地の実情を踏まえてワンストップでご支援できます。韓国市場に関するお悩みがあれば、ぜひ一度InFluKまでお気軽にご相談ください。
韓国マーケティング InFluKのサービスページはこちら:https://influk.bwell.jp/

※本記事の祝日・振替休日は、執筆時点で公布されている法令・公式暦情報に基づきます。臨時公休日の指定や制度変更が行われる場合があるため、重要な計画の際は韓国政府の最新発表をご確認ください。
参照
- 위키트리「제헌절 공휴일 재지정…대체공휴일·2026 황금연휴 어떻게 바뀌나」(2026年4月28日国務会議の公式発表報道) https://www.wikitree.co.kr/articles/1134027
- 나무위키「제헌절」(2026年1月国会可決〜4月30日官報公布・大統領令第36290号の経緯) https://namu.wiki/w/제헌절
- 나무위키「공휴일/대한민국」(振替休日の適用拡大の経緯:2021年国慶日→2023年宗教祝日→2026年労働節・制憲節) https://namu.wiki/w/공휴일/대한민국
- KB의 생각「2027년 월력요항 | 내년 휴일을 확인해보세요」(2027年の公式暦・日曜重複の整理) https://kbthink.com/life/daily/2027-calendar-holidays.html
- KHolidayz「2027년 공휴일 사이트」(2027年の連休構成・ソルラル2/6〜2/9、秋夕9/14〜16) https://kholidayz.com/year/2027
- 리치인포허브「노동절 공휴일 지정 확정」(2026年3月国会通過・5人未満事業場の例外) https://richinfohub.com/labor-day-public-holiday/
- 다음뉴스「2026 제헌절 공휴일 지정…17일 휴무」(金融市場・官公庁の休業実務) https://v.daum.net/v/20260716070410835