【2026年版】韓国の年末商戦 完全ガイド|コリアセールフェスタ×ブラックフライデーの日程と出店準備の逆算スケジュール

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はじめに|韓国の年末商戦は「日程が出てから動く」と間に合いません

韓国で商品を売っている日本企業の担当者から、毎年秋口に同じ相談を受けます。

「11月のセールに参加したいが、何をいつまでに準備すればいいのか分からない」。

 

答えから言うと、11月の商戦は8〜9月に勝負が決まっています

プラットフォームの参加締切は開催の1〜3週間前、日本からの商品輸送には規制対応を含めて1〜2か月かかるためです。日程の正式発表を待ってから動くと、ほぼ確実に間に合いません。

しかも韓国の年末商戦は、米国のブラックフライデーとは構造がまるで違います。政府主導の「コリアセールフェスタ」があり、その上にECモール各社の独自セールが重なり、12月にはオリーブヤングの年間最大セールが控えます。

どのセールに、どの経路で、誰の負担で参加するのか

——ここを整理しないまま「韓国のブラックフライデーに出よう」と言っても、実務は動きません。

 

本記事では、韓国でEC・小売を展開する日本企業(特にコスメ・食品・ファッション)の担当者に向けて、年末商戦の全体カレンダー、プラットフォーム別の参加実務、そして日本からの逆算スケジュールを、2026年8月末時点で確認できる情報でまとめます。

 

秋夕(チュソク)商戦については、【2026年版】韓国・秋夕(チュソク)商戦マーケティング完全ガイドで扱っています。

本記事はその年末版という位置づけです。

 

韓国の年末商戦カレンダー|11月から12月に何が起きるのか

まず全体像です。2025年の実績をもとに、主要イベントを時系列で並べます。

こうして並べると分かるとおり、韓国の年末商戦は「11月11日」を第一の山、「11月末〜12月上旬」を第二の山とする二段構えです。11月11日は中国の独身の日と同じ日付で、11번가の「十一節」に代表されるように韓国でも大型セールの基準日になっています。

 

規模感も押さえておきます。国家データ処(旧統計庁)の「オンラインショッピング動向」によれば、2025年11月のオンラインショッピング取引額は24兆1,613億ウォン(前年同月比6.8%増)、12月は24兆2,904億ウォン(同6.2%増)と、いずれも月間24兆ウォンを超える年間最大級の水準です。商品群別では12月に食飲料品が前年比10.2%増、化粧品が1兆2,356億ウォン(同3.7%増、14か月連続増)と、日本ブランドの主戦場カテゴリが揃って伸びています。

 

「コリアグランドセール」との混同に注意してください

日本語の記事では、コリアセールフェスタと「コリアグランドセール」がしばしば混同されています。この2つは別物です。

  • コリアセールフェスタ:産業通商部主導。韓国国内の消費者向けで、11月に開催。EC・小売・メーカーが割引で参加
  • コリアグランドセール:文化体育観光部系。訪韓外国人向けで、2025年12月17日〜2026年2月22日に1,750社が参加

 

韓国国内で商品を売る話なら前者、訪韓客インバウンドの話なら後者です。

社内資料でこの2つを取り違えると、時期もターゲットも施策もずれてしまいます。

 

コリアセールフェスタ2026の日程は、まだ発表されていません

ここが本記事で最初にお伝えしたい実務ポイントです。

2026年のコリアセールフェスタの開催日程・参加企業の募集は、2026年8月末時点で公式発表を確認できていません。 例年は8月上旬に参加企業の募集が始まっており(2023年は8月2日に「開催100日前」として発表)、2026年はそれと比べて遅れています。

さらに重要なのは、開催時期が年によって大きく動くことです。2024年は11月9日開幕でしたが、2025年は10月29日開幕と、約2週間前倒しされました(2025年は10月29日〜11月16日の19日間で開催。参加企業は2024年実績で約2,600社)。

 

この2つの事実から導かれる結論はシンプルです。

日程の確定を待ってから準備を始めてはいけません。

10月下旬開幕の可能性を織り込んで、在庫・商品ページ・広告予算は10月中旬までに整える。日程に依存しない準備(後述の規制対応・物流手配)は9月中に着手する。これが2025年の実績から導かれる安全側の設計です。

 

なお、ウェブ上には「2026年は11月1日〜15日開催」などと断定するAI生成のまとめ記事が既に出回っていますが、

8月末時点では一次ソースの裏付けを確認できません。日程は必ず公式発表で確認することをおすすめします。

 

プラットフォーム別|出品者の参加方法と「割引原資」の違い

年末セールへの参加を検討するとき、実務担当者が最初に確認すべきは日程ではなく、「割引の原資を誰が負担するのか」と「参加の締切はいつか」です。同じ「セール参加」でも、この2点で粗利への影響がまるで違います。

 

2025年実績の比較表です。

 

G마켓「빅스마일데이」|2025年からクーポン費用を全額負担に転換

G마켓は2025年の빅스마일데이から、それまで販売者と分担していたクーポン費用を全額自社負担に切り替えました

投入したクーポンは550億ウォン規模、参加セラーは前年比30%増の約3万、特価対象は約3,000万商品に達しています。

 

プラットフォームが原資を持つセールは、出品者にとって「参加しない理由がない」設計です。

ただし参加にはESM PLUS(G마켓・옥션の統合セラーツール)への登録が前提です。2025年はセラー募集が開催の約3週間前(10月10日)に始まり、締切は開催約1週間前(10月24日)でした。出店登録自体に審査期間があるため、初参加なら9月中の登録完了が安全です。

 

11번가「그랜드십일절」|7,000セラー・1,000万商品の最大商戦

2025年は11月1日〜11日に開催され、セラー約7,000・対象商品1,000万個超の規模でした。申込は셀러오피스(セラーオフィス)の募集公告から行い、締切は開催5日前前後。クーポン原資は11번가負担です。

 

NAVER「넾다세일」と12月の「강세일」|累計販売1兆ウォン超え

NAVERプラスストアの넾다세일は2025年10月29日〜11月11日に開催され、約1万ストア・490万商品が参加、累計販売額は1兆ウォンを突破しました。

 

見落とされがちですが、NAVERは12月にも「강세일(カンセール)」という年末プロモーションを別途開催しています。2025年は12月1日〜14日に約7,000ブランドが参加しました。11月のセールを逃しても、12月に第二の機会があるということです。

 

セラー向けの出店基準は開催の約1か月前に公開されるため、商品構成・価格・在庫の設計は9月中に固めておく必要があります。

スマートストアの出店自体がまだなら、【2026年版】韓国越境EC完全ガイドで出店手順を解説しています。

 

쿠팡|「쿠블프に出店する」は誤解です

ここは日本語の情報でもっとも誤解が多いポイントです。

쿠팡が11月末に開催する「쿠블프(クーパン・ブラックフライデー)」は、쿠팡自身が海外から買い付けるロケット直輸入(로켓직구)の企画です。2025年は11月24日〜12月1日に開催され、海外人気ブランド約800・約2万7,000商品が対象でしたが、これはマーケットプレイス出店セラーが「申し込んで参加する」枠ではありません。

 

マーケットプレイス出店者の正規の導線は、セラー管理画面(WING)の「무료 노출 프로모션(無料露出プロモーション)」です。参加費は無料で、一発締切ではなく常時申請のローリング型。ただし値引き原資はセラー負担で、一部の販売者にのみ開放されている段階との案内もあります。「クーパンのブラックフライデーに出店する」という計画を立てる前に、自社がどちらの経路に乗れるのかを確認してください。

 

オリーブヤング|12月の露出枠は「前年の実売」で決まっています

コスメ・ヘルスケアの日本ブランドにとって、年末商戦の本丸は11月末のブラックフライデーではなく、11月30日から始まる올영세일(オリーブヤングセール)です。

2025年は11月28日に「2025 올리브영 어워즈(オリーブヤングアワード)」が発表され、11月30日〜12月6日の올영세일で受賞商品を中心とした特価企画が展開されました。

このアワードの選定方法に、実務上の重要な示唆があります。2024年7月1日〜2025年6月30日の1億8,000万件の購買データを分析して、40部門166商品を選定しているのです。

 

つまり、2026年12月のアワードと年末セールの露出枠は、2025年7月〜2026年6月の実売実績でほぼ決まっています

 

年末だけ頑張る戦い方は構造的に通用しません。年間を通じた販売実績とレビューの蓄積が、12月の露出を決めます。

オリーブヤングへの入店自体からの検討であれば、【2026年版】オリーブヤングに商品を置くには?をご覧ください。

 

もう一つ、原資の話です。オリーブヤングのセールでは、割引原資をブランド(納品業者)と折半する構造が公正取引委員会の審査で明らかになっています。公取委は2023年12月、行事独占の強要や情報処理費の不当受領などの大規模流通業法違反でCJ올리브영に是正命令と課徴金18億9,600万ウォンを課し、法人告発を決定しました。現在は是正が進んでいますが、「セール参加=原資負担の交渉がある」前提で粗利設計をしておくべき相手だということです。

 

무신사|ファッションは11月中旬の「무진장 블프」が最大

ファッションカテゴリでは、무신사(MUSINSA)の「무진장 겨울 블랙프라이데이」が年間最大です。2025年は11月16日〜26日の10日間で、オンライン販売額3,685億ウォン・販売数719万個、オン・オフライン合算で約3,800億ウォンの過去最高を記録しました。最終日1日だけで524億ウォンです。

参加は取引関係のあるブランド向けの招待型とみられ、公開の申込導線は確認できていません。무신사への入店(手数料は公式開示で名目14.7%)からの逆算になるため、2026年冬を狙うなら入店交渉は年内に始めておきたいところです。

 

日本からの逆算スケジュール|規制と物流のリードタイムが起点です

「11月のセールに間に合わせる」を日本側から逆算すると、律速になるのはセールの締切ではなく規制対応です。

カテゴリ別に押さえます。

 

化粧品|機能性化粧品なら審査だけで60日

韓国で化粧品を正規販売するには、化粧品責任販売業者(韓国法人または現地代理人)による登録、韓国医薬品輸出入協会(KPTA)への標準通関予定報告(新規は3営業日+証明書類の原本郵送期間)、通関後のロット別品質検査、ハングル表示の貼付が必要です。

特に注意すべきは機能性化粧品(美白・シワ改善・UV防御など)で、食品医薬品安全処の審査に60日かかります。しかも機能性化粧品は少額輸入の簡易通関(目録通関)の除外品目のため、「まず越境ECで試して、売れたら正規輸入」という段階戦略が使えません。11月商戦に機能性表示で臨むなら、遅くとも8月末〜9月上旬に審査申請が必要な計算です。

 

規制の全体像は日本コスメを韓国で売るには?規制・販路・売り方の完全ガイドで詳しく解説しています。

 

食品|初回輸入は精密検査で実務2〜4週間

食品は輸入販売業の営業登録のうえ、輸入申告時にハングル表示包装の添付が必要です。初回輸入品目は必ず精密検査の対象となり、法定処理期間は10日ですが、実務では2〜4週間の余裕を見るのが安全とされています。

年末は通関自体も混みます。関税庁と食品医薬品安全処は例年11月下旬〜12月上旬に海外直購食品の集中検査を実施しており(2024年は11月25日〜12月6日)、表示が不明確な貨物は通関保留の対象になります。

 

ファッション・雑貨|表示義務の確認を

衣類は原則としてKCマーク表示・製品試験が不要な区分ですが、繊維混用率・製造国・輸入者名などの表示義務があります。子供服の一部や発熱ウェアなどの電気製品は上位区分でKC認証が必要になるため、品目ごとの確認が必要です。

 

 

韓国の年末消費、日本の常識と違う4つのポイント

最後に、日本の年末商戦の型をそのまま持ち込むと外れるポイントを押さえます。

① 物流のピークは12月だけではありません。

国家物流統合情報センターのデータでは、2025年の宅配物量は9月(秋夕期)が57,542万箱と年間最大で、12月の56,817万箱を上回っています。韓国の物流は秋夕と年末の二山構造で、12月だけを警戒していると9月の遅延に足をすくわれます。

 

② クリスマスは「恋人の日」のイメージほど恋愛消費に偏っていません。

過ごし方は家族・自宅が最多という調査もあり(2019年の韓国での調査)、消費の実態は高級ホテルのケーキ(最高50万ウォン)とコンビニケーキ(4,900ウォン台)への二極化が進んでいます。「カップル向けギフト一辺倒」の企画は的を外す可能性があります。

 

③ 12月は決済手段がデビット・現金側に寄る傾向があります。

韓国の年末調整(연말정산)ではカード等所得控除の控除率がクレジットカード15%に対しデビットカード・現金領収書30%と差があるため、控除枠を意識した消費者が年末に決済手段を切り替える動きが知られています。クレジットカード特典に依存したプロモーションは、12月の韓国では効きが鈍る可能性を織り込んでおくべきです(なお、年末調整が12月の消費総額自体を押し上げるという公的統計は確認できていません)。

 

④ ホリデー限定は「中身」より「パッケージ」が主役です。

韓国コスメのホリデーコレクションは、限定デザインのケース+リフィルという構成が定着しています。

限定処方の開発より、限定パッケージとリフィル導線の設計のほうが現地の期待値に合います。

 

よくある質問(FAQ)

コリアセールフェスタには日本企業も参加できますか?

参加企業の募集は例年、韓国国内で事業を行う企業(韓国法人・韓国内の販売主体)を対象に行われます。日本からの直接参加ではなく、韓国法人や現地パートナー、出店中のECモール経由での参加が現実的です。2026年の募集要項は8月末時点で未発表のため、発表され次第の確認をおすすめします。

 

韓国のブラックフライデーは米国と同じ日ですか?

基準日は米国と同じ11月第4金曜日(2026年は11月27日)ですが、実際のセールは11月1日〜11日の「11節」商戦と、11月中旬〜12月上旬の各社ブラックフライデーに分散しています。米国のように1日に集中する構造ではなく、11月全体が商戦期と考えるほうが実態に合います。

 

出店していないプラットフォームのセールに、今からでも間に合いますか?

セールへの参加申込よりも先に、出店登録の審査がボトルネックになります。G마켓は2025年、開催約3週間前にセラー募集が始まり約1週間前に締め切られました。NAVERスマートストアも出店基準の公開が開催約1か月前です。11月商戦を狙うなら、9月中の出店完了が実質的な期限と考えられます。

 

年末商戦の在庫は、売れ残ったらどうすべきですか?

韓国は2027年2月7日前後に旧正月(ソルラル)連休があり、ギフト需要の第二波が来ます。年末在庫は旧正月商戦へ繰り越す設計が一般的です。ただし1月中旬までに追加物流を完了させる必要があるため、繰り越し判断は12月中旬までに行うことをおすすめします。

 

まとめ|日程未発表の今こそ、日程に依存しない準備を

本記事の要点を整理します。

  • 韓国の年末商戦は「11月11日前後」と「11月末〜12月上旬」の二段構えで、月間オンライン取引額は24兆ウォンを超えます
  • 2026年のコリアセールフェスタは8月末時点で日程未発表。しかも開催時期は年によって約2週間動くため、日程確定を待つ準備は破綻します
  • プラットフォームによって割引原資の負担者がまるで違います。G마켓・11번가はモール負担、쿠팡はセラー負担、올리브영は折半の構造です
  • 「쿠블프」はロケット直輸入の企画で、マーケットプレイスセラーの参加枠ではありません
  • オリーブヤングの12月の露出枠は前年7月〜当年6月の実売で決まるため、年末だけの勝負はできません
  • 日本からの逆算では規制対応が律速です。機能性化粧品の審査60日、食品の初回精密検査2〜4週間を見込むと、着手期限は実質9月上旬です

 

年末商戦は、単発のセール参加で終わらせるか、年間の販売実績づくりの起点にするかで翌年の景色が変わります。

特にオリーブヤングのアワード構造が示すとおり、韓国の小売は「1年分の実売」を年末に清算する市場です。

 

InFluKは、韓国現地の視点から日本企業の韓国進出・EC展開を支援しています。年末商戦に向けたプラットフォーム選定や参加交渉、規制対応のスケジュール設計、セール期の広告運用まで、「自社は今年の年末商戦に何ができるのか」という整理の段階からご相談いただけます。時期的に判断を急ぐテーマですので、お早めにお問い合わせください。

韓国マーケティング InFluKのサービスページはこちら:https://influk.bwell.jp/

 


 

参照